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原子力損害の補完的な補償に関する条約
2014.10.03
原子力損害の補完的な補償に関する条約(CSC条約)の締結を我が国は検討している。
この条約は、原子力損害に関する訴訟の裁判管轄権を事故発生国に集中させ、原子力事業者が過失の有無を問わず賠償責任を集中して負うことを求める。
締約国内で事故が起きた場合に3億SDR(約470億円)以上の賠償措置をすることが締約国に義務付けられる。そしてそれを超えた分について、他の条約の締結国が拠出金を出して事故発生国による賠償を補完して補償する。
拠出金を超える賠償については事故発生国の国内法で対応する。
外国事業者による事故でも、内外無差別で公平な賠償を確保することを義務付ける。
国際ルールを整備することにより、法的予見性を向上させ、原子力事業に外国企業が参入しやすい環境を作ろうというものだ。
現在、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、UAE、アメリカが締約しているが、締約国が5か国以上、締約国の原子炉の熱出力が40万MW以上になって発行するとされているので、日本が入るとこの条約が発効することになる。
オーストラリア、カナダ、チェコ、インド、インドネシア、イタリア、レバノン、リトアニア、モーリシャス、ペルー、フィリピン、セネガル、ウクライナも署名している。
日本が締結しても、遡及適用はされないので、福島第一原発事故には適用されない。ただし、その廃炉作業中に「同一の原因による一連の出来事」ではない原子炉の事故が起きれば、この条約が適用される。
この条約は、商用原子炉、研究炉、再処理施設、核燃料の加工施設、使用済み核燃料の貯蔵施設などが対象となる。