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福島第一原発視察
2014.09.24
原発ゼロの会で二回目となる福島第一原発の視察を9月22日月曜日に行いました。
参加議員は近藤昭一、秋本真利、菅直人、小宮山泰子、阿部知子、鈴木望の各代議士と私です。その他に逢坂誠二、服部良一元代議士と加藤修一元参議院議員も参加しました。
菅元総理は事故翌日以来の福島第一原発訪問になりました。
上野駅7時発のスーパーひたちで9時過ぎにいわき駅に到着。
10:20 Jヴィレッジにて昼食、ホールボディカウンタ受検
12:00 第一原発到着サイト内視察(15:40まで)
16:20 Jヴィレッジにてホールボディカウンタ受検
18:00 いわき駅到着 18:20のスーパーひたちで帰宅。
昨年使った全面マスクは鼻と口を覆うものに変わっていましたが、サイト内に入るための準備そのものはあまり変わっていません。
着ていったものはパンツ1枚だけを残して総着替え。
パンツの上に支給される長袖、長ズボンの下着上下を着て、ビブスを着ます。背中に冷却材を入れ、左胸に線量計と入館証。
タイベックのつなぎ上下、靴下二枚ずつ、綿手袋、ゴム手袋とシール、さらにその上からもう1枚ゴム手袋。
帽子、マスク、メガネをしていない人はガンマ線防止メガネ、タイベックのフード、ヘルメット、サイト内用の靴、靴カバー。
涼しい日でしたが、汗ぐっしょり、のどはからから。マスクを締めすぎた人はみんな頭が痛くなっていました。
作業環境はかなり劣悪です。この中で作業している方々には本当に頭が下がります。
サイト内の視察は主に4号機の使用済み燃料の取出し工程を作業現場まで上がって視察し、さらに凍土壁の工事現場と地下水バイパスの井戸等を視察しました。
総被曝量はガンマ線で0.02マイクロシーベルト、ベータ線では0.0マイクロシーベルトでした。
3号機横では毎時95マイクロシーベルトの線量を記録しました。
4号機の使用済み核燃料取り出し作業を行っている現場では、毎時8-20マイクロシーベルトでした。
作業員の数が約6000名と昨年の視察時よりもかなり大きくなっていました。そのうち半分近くが土木作業に従事しています。
作業員の大部分は、月平均で1ミリシーベルト、年間にして12ミリシーベルトの被曝をするようですが、年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトという上限に達するようなことはまずないという説明でした。
しかし、建屋に入る作業だと一回の作業で1-2ミリシーベルトの被曝をしてしまい、凍土壁など建屋の近くでの作業でもかなり高い被曝になるため、計画的に配置替えをして被曝線量を抑えていました。
凍土壁の作業は毎日午後5時からのシフトで進められ、周囲1500メートルに1メートル間隔で冷却材を入れるケーシングを地下30メートルまで打ち込む作業が進んでいます。
地下水が流れ込んでいるような流れのある部分も凍るのかどうか、まだまだ不明な点もあるようです。
作業員の休憩所として8階建ての大きなビルが第一原発の入り口付近で建設が進められていました。
作業員のけがについては、担当する工事の経験が深い作業員にも起きていて、マスクや手袋、タイベックなどを
装着して作業をするという福島第一の現場の経験が浅い人がけがをしやすいようです。
入所時の教育の更なる徹底が必要です。
アメリカ人の溶接工など、経験が必要とされる部分には外国人の作業員もすくなくありません。
バスから降りない視察は、現在、地元の方々を中心に、1日2回程度行われているようです。
日立製の高性能ALPSの稼働が間もなく始まりますが、高性能とは廃棄物として出てくるものが少なくて済むということです。
現在も汚染水の量は1日400トン、2日半で1000トンタンクがいっぱいになる状況は変わらず、サイト内のタンクは増え続けています。
汚染水の発生を防ぐために地下水バイパスで1日300トンをくみ上げますが、それによって300トン地下水が減るわけではなく、周りから水が回ってくるため、300トンをくみ上げると50-80トンの水が減るようです。
表面を舗装して雨が地下にしみ込むのを防いだり、さまざまな対策を講じて地下水の流入を1日あたり100-130トン減少させたいとのことでした。
4号機の使用済み核燃料の取出しは、順調のようですが、曲がったものや穴の開いたものが数本あり、それらの取出しは最後になるようです。
被曝線量の管理をはじめ、作業員の安全管理の仕組について、原発ゼロの会で議論をしていきたいと思います。