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軍縮・核不拡散
2014.04.12
NPDI(軍縮・不拡散イニシアチブ)外相会議が開催された広島で、並行してNGO会議が行われた。
公明党の谷合正明、民主党の藤末健三両参議院議員とともにPNND(核軍縮・不拡散議員連盟)として参加。
前日深夜に広島入りして、10:00からNGO会議「核兵器廃止への道筋」の第二部の「『核の傘』依存国-日本を含む-の役割」にパネリストとして参加した。
私のメッセージは、まず、核軍縮に関しては、「核の傘」という言葉が普通に使われるが、「核の傘」がどういうときに、どう使われるのかといった具体的な議論が国会でもほとんど行われず、「核の傘」というものが本当に存在するのか、あるいは破れ傘ではないかという疑問に対してもこれまで政府がほとんど答えてこなかった。
そのため「核の傘」がどんな役割を果たすのかという議論ができず、何かでそれを代替できるのかという可能性を探る議論がスタートすらできていない。
だから「核の傘」だけでなく日本の核戦略をきちんと明確にしたうえで、「核」でない手段に代替することができるものは何かを議論する必要がある。
岸田外務大臣も、核兵器の数の削減に加えて、核兵器の役割の削減が必要だと訴えているわけで、それには当然、「核の傘」として提供される核兵器の役割も削減する必要がある。
二番目に、核不拡散に関しては、日本はプルトニウム拡散を防ぐ先頭に立つべきだ。長崎の原爆がプルトニウムからつくられたことを考えても、これは日本の使命だ。
経済合理性もなく、廃棄物の処理に関しても直接処分と比べて何の優位性もなく、不拡散の観点から非常に劣る再処理を直ちにやめる必要がある。
日本が再処理をやめることで、再処理の拡散を止められ、プルトニウム拡散を防ぐことができる。
そのためには、政府に再処理の継続の口実を与えないように、使用済み核燃料の暫定保管場所を電力会社ごとに一つ、きちんと設けさせるべきだ。
それによって、再処理をやめて青森県からきちんと使用済み核燃料を持ち出すことができる。
さらに質疑の中で、日本国内で核や原子力に関する問題で、セクト化が起こりやすいことを課題としてあげた。
核廃絶や脱原発を実現することが真の目的ではなく、それを政治的、組織的な目標に利用しようという活動にとっては、まったく違う相手よりも、自分に似ている相手のほうが邪魔になり、批判の矛先を向けやすい。
共有できる目的を共有する活動が必要だということを強調する。
その後、国際会議場内で取材を受け、平和記念公園の親水テラスで行われたリレートークに参加。
リレートーク
空き時間に平和記念資料館や国立の広島原爆死没者追悼平和祈念館をのぞく。
多くの外国人旅行者が平和記念資料館を訪問してくれていることに感謝。英語だけでなく、中国語やロシア語(?)などさまざまな言葉が飛び交っていた。
隣同士で日本語と英語のビデオを上映しているビデオシアターでは、日本語のビデオシアターには観衆が一人もいなかったのに、英語のほうはかなり埋まっていた。
誰もいない日本語のビデオシアター
隣の英語のビデオシアター
ワシントンに、ホロコーストミュージアムのような原爆に関する博物館を建てて、多くのアメリカ人に見てもらってはどうだろうか。
原爆死没者追悼平和祈念館の追悼空間は、イスラエルにあるホロコーストで亡くなった人を追悼するヤドバシェムに通じるものがある。平和記念資料館と比べると訪問する人の数が少ないのは残念だ。
国立原爆死没者追悼平和祈念館の入り口
ひろしまNPOセンターで開かれたNGO向けの政府のブリーフィングをのぞいて帰京。