電力会社の努力または努力不足

2012.10.31

(この項目の以下の数字を最新のデータに差し替えました)

ようやく大手メディアが、あの東電の電力料金値上げはおかしいと取材を始めるようになった。一歩前進だ。

さて、東電以外にも、原発が停止したので燃料代が余計かかると電力会社は値上げ申請をするようだが、そもそも電力会社はどのくらい努力をしているのだろうか。

専門家の作成したデータから、電力会社毎のLNGの平均調達価格をみてみる。(円/トン)
                 2007     2008      2009    2010      2011     5年間平均
平均単価 50,873  66,016  43,029  50,299  64,943  55,032
東北電力 59,641  77,162  43,615  52,399  63,986  59,361
東京電力 49,256  66,010  44,486  54,345  66,840  56,187
中部電力 57,714  67,149  45,632  51,724  66,293  57,702
関西電力 56,970  64,572  43,527  48,271  63,410  55,350
中国電力 43,133  60,454  34,297  42,730  57,111  47,545
四国電力 –              –             51,374  54,496  71,379  59,083
九州電力 54,540  62,191  41,931  50,017  71,102  55,956
北海道電 –       –       –       –
北陸電力 –       –       –       –

*平均単価は、財務省の貿易統計から算出した、日本全体のLNG輸入価格の平均。

中国電力は、オマーン産のLNGを調達しており、オマーン産、水島・岩国港受け入れ分は国内最安値と言われている。

四国電力はマレーシア産のLNGを調達しているが、ロシア産、オマーン産と比べ割高に。東北電力はロシア産の調達が、単価の引き下げに寄与している。

そもそも日本のLNG価格が、シェールガス革命といわれるアメリカの価格よりもはるかに高く、ヨーロッパと比べても二倍以上の価格になっていることを考えると、電力会社の調達は、あまりに芸がなさ過ぎる。

結局、消費者に全てコストを転嫁できるから安く燃料を調達しようというインセンティブが電力会社には働いていない。

この状況で燃料費が上がったら消費者の負担というのはいかがなものか。

関西電力以下の電気代値上げの前に準備することはたくさんある。



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