民主党の年金試算の公表に気をつけろ

2012.02.03

民主党の年金の試算を公表する、しないが問題になっている。

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政治家、マスコミを含め、この問題には注意が必要だ。

なぜならば、この「試算」は、民主党の副大臣の指示のもと、昨年3月30日に厚労省が試算したものだ。しかし、その内容はかなりメチャクチャなのだが、民主党の副大臣は内容を理解せず、放置していたということらしい。

もともと厚労省は、現行制度死守が建前なので、そこに試算を頼めば、抜本改革ができないような試算を出してくる。

福田内閣の時の社会保障国民会議の試算や菅内閣の与謝野大臣の試算などと同じように、この試算もデタラメで、現行制度が有利、みたいな結果になっている。

この試算の中には、たとえば「『みなし運用利回り』を『賃金上昇率-現役人口減少率x0.29』とすれば云々」などの記載があるが、これを説明できる人がいるだろうか。

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そもそも将来推計とは、それぞれの案に対して中立なものでなければならない。

にもかかわらず、亀井善太郎前代議士が、日経新聞の経済教室で指摘していたように、厚労省の社会保障の将来推計は、まず政策ありきで、それを守るための数字をつくって(年金積立金の運用利回り4.1%のような)、数字を出す。

今回も、まず、抜本改革つぶしで数字をつくり、作成を指示した民主党の政務三役がそれを理解できず、そして、おそらく厚労省が抜本改革つぶしのために、こんな推計がありますよとリークしたのだろう。

今回の騒ぎで我々が学ばなければならないのは、こうした将来推計の作り方だ。

亀井前代議士が言うように、

一元化:推計の責任者を一つにする
整合化:前提や推計全体のロジックやパラメータを一致させる
透明化:情報やその説明をできるだけ開示する
第三者化:議会や民間などの他の機関による検証と議論を行う

が必要だ。

国民が議論するためのデータが将来推計であって、それはさまざまな選択肢を議論するための中立なものであり、これまで役所がやってきたようなデタラメは許されないということを、与野党やメディアがきちんと認識することが大切だ。

今回の騒ぎをがそういうことにつながるようにしていこう。



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