民主党政治の崩壊

2011.09.08

あーあ、やっちまったよ。

民主党政権が、明らかに自民党政権よりも優れていたものがある。
政府への政策決定の一元化がそれだ。

自民党の与党による事前審査とそれに名を借りた与党全員への党議拘束は、明らかに議院内閣制のルールに逸脱していた。

民主党の政府への政策決定の一元化は、明らかに進んだルールだった。それを民主党政権自らがぶっ壊した!

前原政調会長が認めなければ、野田内閣は政策決定ができないというのが本当なら、政策決定への関与という権限を持ちながら、国会答弁はしないという責任を逃れる人間が、民主党政権の政策決定を左右することになる。これまでの自民党政権の失敗をカーボンコピーしているだけだ。民主党政権の数少ない優位性は失われた。

自民党政権の場合、ウソにも(ウソだが)、部会、政調審議会、総務会のプロセスは全員一致で、そのプロセスで反対がなかったから国会に提案された法案には党議拘束がかけられるという党議拘束の裏付けがあった。(ほとんど意味はないが、ないよりはましという程度)

民主党の今度の政策決定への介入には、こうしたプロセスがあるのだろうか。それとも前原、仙谷の個人プレーなのだろうか。

国会で答弁する責任がない奴が、政府の政策に関与するという愚をどこかでやめなければならない。これは野田総理の大きな過ちだ。

本来、政府に入っていない与党議員は、本会議で反対することもできるはずだ。民主党政権は、これをやらなかったから与党議員が単なる採決要員になってしまった。これが小沢一郎政治の限界で、自分に都合の良いことはやらせるが、自分に都合の悪いことは知らんぷりする。

政府は、与党議員を説得して、政府提案に賛成させるのが筋だ。もちろん、政府に反対ばかりする与党議員は内閣改造でも政府には取り立ててもらえない。多少我慢して、政府に入るのをじっと待つというインセンティブが働く。

さらに、政府案が否決されれば、解散という道を総理は選ぶことができる。これが最大のムチになる。

自民党ができなかった『正しい議院内閣制』に民主党は近づいていたと思っていたら、どうもそうではなかったようだ。

国会改革への道のりは半ばというより、スタートで躓いた。与野党で、国会のあるべき姿をきちんと描こう。



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