もんじゅは今、どうなっているか

2011.03.29

もんじゅは、今、いったいどうなっているのかというお問い合わせをたくさんいただきました。

団藤保晴さんの「高速炉『もんじゅ』に出た生殺し死亡宣告」というタイトルの記事(http://getnews.jp/archives/82554)を参照された方も多いかもしれません。

このブログは、昨年の10月26日の記事で、当時は、ひょっとするとこういう状況になりかねないということだったかもしれませんが、その後、状況に変化がありました。

平成7年末にナトリウム漏洩の大事故を起こしたもんじゅは、その後15年弱停止していました。平成22年5月6日に試運転を再開しましたが、8月26日に炉内中継装置という直径46cmのパイプ状の装置を原子炉内部に落とすという事故を起こしました。

炉内中継装置をつかむ機能を果たすロッドとパワーシリンダのつなぎ目のねじが緩んだことが原因でした。このパワーシリンダは、平成15年に現在のものと交換されました。以前のものには、設計後の製作の段階で、ねじの緩みを防ぐ対策がとられていましたが、なぜかそれが設計に反映されず、交換された新しいものにはねじの緩み対策がありませんでした。

しかも、ねじそのものがきちんと止められていませんでした。

この部分は、次のものではねじ止めをやめ、一体成形されることになっています。

落下したパイプ状の炉内中継装置は、途中で変形し、さやの部分に引っかかって抜くことができなくなりました。(平成22年10月13日)

この時点で、上記のブログ記事が書かれています。

この後、対策が検討される中で、炉内中継装置のさやにあたるスリーブごと一緒に引き抜くことが決定され、現在、そのための治具が作成されています。4月からモックアップで引き抜きの訓練が始まり、6月にさやごと引き抜きが試みられることになります。

もんじゅの原子炉内には液体ナトリウムがあり、それが気化したものがさやの壁面に蒸着していることが予測され、引き抜きに必要な力はかなり大きくなると思われます。

さらに、空気が原子炉に入ることを防ぐためにアルゴンガスが密封されているので、引き抜き作業をするためには、その部分に覆いを掛け、そこにアルゴンガスを入れ続けながら、作業をすることになります。

ちなみにこのスリーブは、抜くことを想定しておらず、これまで抜いたこともありません。構造上は、抜くことは可能です。もし抜けなければ、上記の記事にあるように、ふたを壊さなくてはならないかもしれません。

炉内中継装置をスリーブごと抜くことができれば、先端を確認し、炉内に損傷がないかも確認することができます。

独立行政法人 日本原子力研究開発機構には、現在行われている作業が、ホームページ上でもっとわかりやすくなるように、お願いしました。



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