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税方式の主張 その3
2011.01.23
ヨサノさんの年金に関する発言が理解できない。
「税方式は財源が足りないからできない」というのは、必要な年金を支払わないと言っているのに等しい。必要な最低保障をしていなければ、生活保護を出すか、極度の貧困を強いることになる。
必要な最低保障をするための年金を出すことは、財源をどうするかにかかわらず必要だ。問題は、それをするために税がよいのか保険料がよいのかということ。
さらに、世代間の格差を是正するために税がよいのか、保険料がよいのかということ。
年金の財源を負担していただくのに、保険料なら足りるけれど税なら足りないというのは全くおかしい。保険料なら財源が足りるが、税方式なら財源が足りないというのは、保険料方式の年金には穴がたくさんあり、必要な年金が支払われていないことを意味する。だから、ヨサノ発言がただしいならば、保険料方式の年金制度では老後の安心を補償できないことになる。
基礎年金を最低保障年金と位置づけるならば、税方式でなければならない。
「税方式だと移行に何十年かかる」というのもナンセンスだ。移行方法にはこれまでに書いたように三つの選択肢があり、どれを選ぶかを決めれば移行はできる。
消費税を引き上げる時に、例えば食料品は5%に据え置くべきという議論がある。仮に10%の消費税が必要だとして、食品の税率を5%に据え置くと、食品以外の物の税率は10%ではなく食品を5%に据え置いたことによる減収分を上乗せすることになる。すべて10%にするのか、食品5%+そのほか10数%にするのかという選択肢になる。
食品でも贅沢品は据え置かなくてもよいという意見もあるが、それは難しい。キャビアやフォアグラは贅沢品だろうが、例えば南魚沼産のコシヒカリは贅沢品なのか。「贅沢品」の線引きは難しく恣意的になりやすい。食品の税率は5%に据え置くというならば、口に入る物は全て5%とせざるを得ないだろう。
むしろ税率を引き上げるならば、きちんとインボイス方式にするなどの必要な措置を導入すべきだ。医療なども非課税ではなくゼロ税率を適用しなければならない。
税率を上げるならば、公平性がきちんと担保される消費税の仕組みにしなければならなくなる。