後退する改革
2010.04.16
今日の本会議で、二つの独立行政法人通則法改正案が採決された。
ちょっと固いけれど、A案、B案を一読していただいて、あなたならどちらに賛成投票するか、考えていただきたい。
A案は
一 新たに独立行政法人評価委員会を総務省に設け、独立行政法人の評価を一元的に行うこと。
二 評価委員会は、独立行政法人の業務運営の改善等に関し、主務大臣に対し勧告できることとし、勧告が行われた場合には主務大臣は独立行政法人に対し必要な指示をできることとすること。
三 評価委員会の内閣総理大臣に対する報告及び意見具申の制度を設けること。
四 独立行政法人の長及び監事の公募制を定めるとともに、その任命を内閣の承認制とすること。
五 独立行政法人の監事及び会計監査人の職務権限を強化するとともに、監事の任期を法定化すること。
六 非特定独立行政法人の役職員に係わる再就職規制を導入するとともに、所要の罰則規定を設けること。
七 独立行政法人の保有資産について、不要財産の国庫納付や減資等に係わる規定を整備すること。
八 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
それに対してB案は
一 独立行政法人に対して不要財産の処分を義務づけること。
二 政府出資等に係わる不要財産について、国庫への返納の手続きを定めるとともに、その不要財産が政府出資に係わるものである場合の減資の手続きを定めること。
三 民間等出資に係わる不要財産について、出資者に対する払い戻しの手続きを定めるとともに、払戻しをした場合の減資の手続きを定めること。
四 この法律は、交付の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
さあ、あなたならどちらに賛成票を入れますか。
私は、ファミリー企業への天下り規制もしっかり盛り込み、独立行政法人法人の運営に関してもきちんと監視を強化できるA案に賛成した。
それに対してB案は、「国の財政への寄与を図るため」というのが目的にも書かれているとおり、国のお金が足らないから独立行政法人からお金を取り上げようということだけに特化している。(もちろんA案でも同じことができる)
このA案は、自民・公明・みんなの三党の共同提案で、B案は与党案だ。
原口さん、独立行政法人改革といいながら、本当にB案でいいの?
今日の本会議で、原稿棒読みの討論をした民主党の一年生議員は、三党案は交付の日から二年以内の施行で期間が長いから、反対と曰う。反対理由はそれだけか?
それなら修正協議して、施行までの期間を短くすればいいじゃないか。与党は、ちょっとおかしいんじゃないのというぐらい修正協議を一切拒否。
社民党に至っては、討論で、三党案にはいくつか賛同しかねる点があるから反対とだけ言って、それが何かは言わない。おいおい、それじゃ議論にならないだろ。
結局、民主党は、独立行政法人からファミリー企業への天下り規制を盛り込まず、民主党政権になってから六つの独立行政法人を新たに設立し(98から104に独立行政法人が増えた)、渡辺喜美大臣が策定した独立行政法人の整理合理化計画を実施せずに凍結してしまった。
改革は後退させておいて、それで、独立行政法人の事業仕分けやりますって、茶番だよ。
本会議終了後、みんなの党の渡辺喜美代表から、公務員制度改革に関しても、民主党案はひどすぎるから、きちんと連携してやろうぜと携帯電話にお電話をいただく。
もちろん、自民党もガンガンいきます。よろしく。