これからどうするのか
2010.03.10
今回の密約の調査で、核持ち込みの密約があったことが明らかになった。
事前協議がない以上、核の持ち込みはない、という外務省の答弁は虚偽であった。
たしかに岡田外相がインタビューで発言されたように、良い悪いはべつとして、苦渋の決断をしてきたという印象だ、ということだろう。
ジョージ・パッカード博士が述べているように、これまでアメリカの核は単なる寄港だけでなく、本土への持ち込みも行われてきた。
問題はこれからだ。
アメリカは核の存在を否定も肯定もしないという方針と、北朝鮮や中国等の安保上の脅威と、特に核兵器の使用を抑止するために、アメリカの核が必要だという日本の状況は変わらない。
現在では、米国海軍の艦船に戦術核は搭載されていないということになっているが、その他の核兵器については不明であるし、有事には戦術核の搭載についても否定も肯定もしないというアメリカの方針がある。
日本が非核三原則、核の一時寄港も認めないという方針を今後も続けていくと、どうなるのか。
アメリカは核兵器の存在を否定も肯定もしないのだから、日本側としては確認のすべがない。今までと同じように、事前協議がないから核兵器の持ち込みはないということになってしまう。
密約を見つけながら、密約と同じ状況をこれからも続けていくことになる。
北朝鮮の核の抑止など、アメリカの核が必要となる場面が想定されうる状況で、核兵器の一時寄港もない非核三原則を堅持するということは、これまでの日本政府が国民に嘘をついてきた状況が、これからも続けられるということになる。
河野太郎前外務委員長が、密約の調査を政府に要求したのは、過去のことを云々という以上に、これからの核の問題を考えるときに、一度リセットが必要だと思ったからだ。
これからも外務省は、確認ができないことを、確認したかのように国民に向かって言い続けるのだろうか。
それともアメリカに対して、核の持ち込みは認めないというのだろうか。そうなれば安保はどうなるのか。
調査はしました、でも現状は変えません、確証はない嘘をつき続けますでは駄目だ。