日米同盟に忍び寄る影

2009.11.25

沖縄の読谷村で起きた米軍軍人が容疑者となったひき逃げ事件が日米間に大きな問題を引き起こそうとしている。

日米地位協定によれば、最初に身柄を米軍側に確保された容疑者は起訴後に日本側に身柄を引き渡すということになっている。
平成七年合意で、殺人や強姦などの犯罪の場合は起訴前にも引き渡しを求められれば身柄を引き渡すこともあるということになっているが、ひき逃げ事件のような場合には適用されない。

しかし、米軍は、日本の警察が指定した時間、場所に容疑者を連れてきて取り調べを受けさせてきた。だから、法務省は、この状況が続く限り、起訴前の身柄引き渡しは必要としないという立場を明確にしてきた。

ところが今回の読谷村の事件では、容疑者が取り調べを拒否している。14日から今日まで既に十日以上警察は取り調べができない事態になっている。こんなことは初めてだ。

もし、これが前例になれば、今後、米軍が身柄を確保している容疑者は、日本側の取り調べに応じないということにもなりかねない。きわめて問題の大きい事態が起きている。

外務委員会でこの問題を取り上げ、法務省の政務三役に出席を求める。出てきたのはテツこと中村哲大臣政務官。
が、全く話にならない。
十日間も取り調べができないのだから、これまでとは事情が明らかに違っている。と、いうことを明確にしたいのだが、引き渡しをどうするかは政府全体で決めることだなどと、的外れな答弁に終始する。
テツには事情が変わったのかどうかを尋ねているのだが、何を怖がっているのか答弁しない。
中井国家公安委員長が助け船を出すが、警察としては引き続き努力しているとしかいいようがない。

今までと状況が違うなら、状況が違うと答弁できなければ政治主導でも何でもないではないか。役人の振り付けでしか答弁できないならば、次から刑事局長の出席を求めるぜ。

前提が変わったからといって必ずしも身柄の引き渡しを要求するとは限らないというのは外務大臣の答弁通りだが、この問題はきちんと解決しないと今後の日米関係に大きな禍根を残すことになる。

この問題が解決しなければ、身柄の引き渡しの話をしなければならなくなるよという圧力を米側にかけて、米側の対応を引き出していかなければならない。
与野党きちんと力を合わせて米側に働きかけをしなければ。



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