国籍法Q&A その2

2008.11.15

国籍法の改正に関して、まだ誤解されている方がいらっしゃるようなので、多少、補足します。

こちらも参照してください。( http://www.taro.org/blog/index.php/archives/946 )

まず、この改正案は、最高裁判所の違憲判決を受けて、法務省が改正案を作成し、閣議を経て、内閣が国会に提出した法案です。
私を含め、議員がこの改正案の作成、提出に関わることはありません。

Q.なぜ麻生総理が訪米中でいないときに審議するのか?

A.いくつかの事実誤認があります。内閣提出の法案は閣議決定されますので、総理が閣議決定の場にいらっしゃいます。この改正案の場合も総理主宰の閣議で決定されています。
国籍法は法務委員会に付託され、法務委員会には総理大臣は出席せず、法務大臣が答弁します。
総理が不在でも、法務大臣出席の下、法務委員会で審議は行われますが、この法案が法務委員会で審議された日には総理は日本にいらっしゃいました。

審議日程は自民党内の審議に関しては法務部会長が、国会提出後は各党の国対と与野党の法務委員会理事が責任を持ちます。

Q.なぜこの改正案は、国会議員が知らないうちに党内手続きが進められたのか?

A.この法案の審議は、法務部会、政調審議会、総務会というごく普通の党内手続きで行われました。全ての会議の時間と場所、内容は衆議院公報に載っていますので、全ての議員とスタッフが知っています。自民党の会議の時間と議題は、携帯電話でも見ることができます。
全ての法案が同じような手続きで審査され、この改正案も例外ではありません。
全ての部会は自民党の衆議院議員、参議院議員ならば誰でも出席することができます。

また自民党の一回生議員は全員、国会対策委員会の委員として国会で審議される全ての法案の内容の説明を聞きます。

こんな法案知らなかったというのはサボっていたと同意語です。

Q.なぜこの改正案では、子供を認知する父親に扶養義務を課さないのか?

A.子供を認知すると、当然に扶養義務が発生します。扶養義務は民法で規定されています。国籍法は国籍に関することを定める法律ですので、国籍法では扶養義務に関して定めません。改正前の旧国籍法でも認知した父親には扶養義務が発生します。

Q.なぜ偽装認知による国籍取得の罰則が一年以下の懲役または二十万円以下の罰金と軽いのか?偽装結婚並みに五年以下の懲役または五十万円以下の罰金とするべきではないか?

A.偽装認知による国籍取得は、市町村への認知届けと市町村への国籍届けを出すことによって公正証書原本不実記載罪が併合され、七年半以下の懲役と百二十万円以下の罰金になります。

Q.なぜ認知に際して、DNA鑑定を条件としないのか?

A.法務委員会での付帯決議に基づいて、国籍法プロジェクトチームでもDNA鑑定についても議論していきます。
論点がいくつかあります。
まず、DNA鑑定を取り入れるとなると、国籍取得届けが、届出のままでよいのかなんらかの許可にする必要があるのかということ。
DNA鑑定に関する実務的な問題をどうクリアするのか。どこで行うのか、検体のすり替えをいかに防止するのか、費用負担をどうするのか。
DNA鑑定を必須としたときに、母親や子供から認知を求められた日本人の父親がDNA鑑定に応じなかったときに、強制する手続きをつくるのか。

さらに、今の民法の根本的な考え方をこれによって変えるのかどうか。

例えば、受精卵を代理出産した場合、今の日本の民法では、出産した者が母親となります。DNAよりも出産が家族関係の決め手になっています。
民法七百七十二条の問題でも、妊娠時点で母親と結婚していた者が父親となります。

自民党のなかでも保守派と呼ばれる人たちは、家族というのは、生物学的なつながり以上のものがあると主張し、家族の問題に、安易にDNA鑑定を導入することには慎重です。
反対にリベラルとよばれる議員はこれまでDNA鑑定の導入にはどちらかというと前向きでした。
認知の問題でDNA鑑定を導入するということは当然、こうした問題にも波及します。議論の中からうまく結論を導き出さなければなりません。

Q.たくさんの外国人の女性が子供を日本人に認知させ、日本国籍をとらせてその母親として来日してしまうのではないか?そういう母親が日本で生活保護をもらうことになったら税金の負担が増えるではないか?

A.それはそう簡単なことではありません。
現在、海外で外国人の母親と暮らす日本国籍を持つ幼児が、母親が来日できない、つまり日本の入管がその母親の在留資格を認めないために、日本にくることができないというケースがかなりあり、そのため世界移住機構(IOM)から、この問題を提起されているぐらいです。
子供を偽装認知させようという母親は、まずその認知について審査され、来日のための在留資格で審査されますので、そう簡単に来日できません。
入管は、日本できちんと生計を営むことができるかを含め審査していますので、偽装認知で子供に日本国籍を取得させ、一緒に来日して生活保護をもらうというのは、無理です。

Q.暴力団の構成員が外国の女性を多数認知して来日させ、売春などをさせることにならないか。

A.多数の外国の女性を認知しようとすれば、それは相当、細かくそれぞれのケースについて審査されることになります。まず最初にそれぞれの女性が生まれた年から逆算した時期にその国への渡航歴がなければ、アウトです。

Q.日本人が外国で、お金をもらってたくさんの子供を妊娠させてしまえば、DNA鑑定をしても、国籍をとることができるようになってしまうのではないか?

A.日本人の子供ですから、日本国籍を得ることになります。父親には扶養義務が発生します。その母親が来日できるかどうか、在留資格を得られるかどうかは上記の通り、厳格な審査の対象となります。



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