どさくさまぎれに
2008.09.09
総理の突然の辞任と総裁選挙の狭間で、日本はNSG(原子力供給国グループ)の臨時総会でNPTに加入していないインドを例外扱いする米印原子力協定に基づく原子力関連のインドへの禁輸を解禁することに賛成した。
外務省は、これまでこの問題に関して、まったく態度を鮮明にしてこなかった。それだけでなく、外務省のホームページを見ても事務次官の会見記録はあるが、外務大臣の会見記録はない。
この問題に関しては、柴山外務政務官が猛烈に反対するべきだと外務省内で主張していたはずである。政府に入った政治家が明確に反対を主張しているにもかかわらず、なぜ、日本はこれを支持したのか。
しかも、政治が議論することなしに、日本の態度が決められたことに不信感をぬぐえない。
柴山政務官には、ぜひ、外務省内での議論を国民に説明してもらいたい。
NPT体制の弱体化はこれで避けられず、究極的な核廃絶を訴えているはずの日本の立場は極めてあいまいなものになった。
高村外務大臣の不信任が衆議院で議論されるべき程の問題だ。
これで日本が安保理の常任理事国になる意義も薄れたといわざるを得ない。対米追随、主張しない日本なら安保理に入らずとも良い。それならそれで外務省の核軍縮関係の部局を廃止し、その予算を廃止するべきだろう。