総裁選挙からの撤退
2006.09.07
9月7日午後三時、記者会見を開き、推薦人が二十人集まる見込みがなくなったことを報告し、総裁選挙から撤退しました。
推薦下さった方々、御恩は一生忘れません。
これまでご支援下さった大勢の皆様、本当にありがとうございました。
年金問題が非常に重要なテーマであり、抜本的な改革が必要であるという認識は今も持っています。
年金の問題とそれを解決する改革案を、万人にわかって頂けるまでに易しくかみ砕いて訴えることができなかったという私の力不足を反省しております。
消費税で国民年金、積立方式で厚生年金と訴え続けてきましたが、なかなか完全にご理解頂けなかったようです。
理解できないものが支持されるわけはないので、年金問題という本丸に切り込みながらも支持を広げることができませんでした。
また、インターネットをもっと活用するために何をしたらよいかということをいろいろな人からアドバイス頂きました。本格的な取り組みが遅れ、充分にその ネットの可能性を引き出すことができませんでした。アメリカや韓国のように政治にインターネットの力を引き出すことができれば、河野太郎の候補者としての 可能性はもっと広がったと思います。
今後の大きな課題として、ネットのさらなる活用に取り組み、政治的な発信をして参りたいと思います。
炎天下での街頭遊説にご協力頂いた県議、府議の皆様をはじめ、大勢の支援者の方々、ありがとうございました。
この御礼は来年の統一地方選挙でしっかりお返しさせて頂きます。
河野太郎は撤退致しますが、年金改革はこの総裁選挙を通じて訴え続けなければなりません。
撤退にあたり、三人の候補者に、お目にかかり、御挨拶申し上げ、年金改革についての意見交換をするつもりでおりました。
安倍陣営は、安倍氏の側近に連絡を取り、年金改革について訴えましたが、残念ながら、現状で年金制度に関して立場を変えることはできないとのお返事でした。候補者に直接訴えたらどうかとの提案も頂きましたが、超多忙な官房長官の日程を頂くことはできませんでした。
谷垣財務大臣とはお忙しいところ、昼の時間をやりくりして頂き、財務大臣室でお目にかかりました。
河野さんとは年金の立場が遠いからとのご発言もありましたが、年金の安定のためには何らかの財政的な裏付けが必要だともおっしゃられておりました。
総裁選挙を消化試合にしないようにもっと強力に発信しなければと力強くおっしゃっていました。
麻生外務大臣には外務省の大臣応接室でお目にかかりました。
開口一番、推薦人を集めるのがどれだけ大変か、よくわかっただろうとにっこりしながら言われました。出馬会見の前日に御挨拶に伺ったときに、推薦人になってくれた人を本当に大切にしろよと言われましたが、今日ももう一度、推薦人は本当に大切にしろよ、と言われました。
年金政策に関しては、消費税を国民年金に全て充てるのは受け入れられないとのことでしたが、社会保険庁の廃止、厚生年金の抜本改革、自営業者や農家などを対象にした報酬比例年金の検討、そして厚生労働省の持つデータやプログラムの開示などは同意して頂けました。
年金問題を最大のテーマに掲げて立候補した総裁選挙ですので、自分がおりるにあたっては、自分の年金に関する政策を一番受け入れてくれた候補者を推すことにしたいと思います。
そういう意味で、消費税で国民年金をまかなうということは受け入れられなかったものの、その他の点をかなり受け入れて下さった麻生外務大臣を支持するつもりです。
推薦人を集めることができずにおりる者があまり負け惜しみのようなことを言いたくはありませんが、総裁選挙の推薦人二十人という要件や告示前に開かれるブロック大会などに立候補と同じ推薦人要件をあてはめることなどは、もはや意味がないと思います。
国民に開かれた総裁選挙を標榜するならば、立候補したい人間に全てチャンスを与えるべきだと思います。
またの日を期して、今回は撤退します。ありがとうございました。