G8法相・内務相会議参加報告

2006.06.17

G8の法務大臣・内務大臣会議が6月14日から16日までモスクワで開催され、国会日程で出席できない杉浦法務大臣に代わり出席して参りました。

6月14日
12:00 成田発 SU(アエロフロート)576
17:25 モスクワ着
19:00 プレジデントホテル着
20:00 晩餐会

6月15日
10:00 G8法相・内務相会議開会式・セッション(議題1)
10:30 コーヒーブレーク
    日本-ドイツ二国間法相会談(ツィプリス-河野)
11:00 セッション(議題1)河野発言
13:00 コーヒーブレーク
13:20 セッション(議題2)
14:30 ワーキングランチ
16:00 ホテル発
17:00 ロシア内務省高等トレーニングセンター視察
20:30 トレーニングセンター発
21:00 モスクワ川遊覧船上晩餐会
25:00 晩餐会終了

6月16日
07:30 日本メディアと朝食懇談会
09:00 セッション(議題3)
10:00 コーヒーブレーク
10:30 セッション(議題4)河野発言
    ローマ・リヨングループ文書採択
    議長総括文書採択
12:30 記者会見
12:55 記念撮影
13:00 ヌルガリエフ内務大臣主催昼食会
15:00 昼食会終了
16:30 ホテル発
19:20 モスクワ発SU581

6月17日
10:00 成田着

G8法相・内務相会議参加者
日本
河野法務副大臣・吉村警察庁次長
カナダ
デイ内務相・シムズ副法相
フランス
副内務相・ユエ刑事局長
ドイツ
ジョイブレ内務相・ツィプリス法相
イタリア
アマート内務相・マステラ法相
ロシア
ヌルガリエフ内務相・チャイカ法相・ビリュコフ検事総長代理
英国
ゴールドスミス検事総長・マクナルティ内務閣外相
米国
チャートフ国土安全保障省長官・ゴンザレス司法長官
EU
フラッティーニ副委員長・オーストリア(議長国)政府代表
インターポール
ノーブル事務総長

この会議は今年で9回目になるが、日本から法務大臣、国家公安委員長が参加したのは過去に一回だけ。副大臣の代理出席も二回目。
理由は簡単で、国会の会期中になるから!
確かに国会は国権の最高機関ではあるが、大臣が国会のためにこうした会議に参加できないのは、はっきり言って日本の国益を損なっている。本来、副大臣が国会対応し、大臣が会議に出席すべきだ。
例えば会議初日のワーキングディナー。自由席であるが、中央のテーブルに他国の閣僚級を尻目に副大臣の僕がさすがに座れない。ロシアのヌルガリエフ内相を 中心にドイツのツィプリス法相、イギリスのゴールドスミス検事総長、イタリアのアマート内相(二度首相を経験している)、EU代表のフラッティーニ副委員 長兼内務担当委員、アメリカのゴンザレス司法長官などが座る。しかも、彼らはみな顔なじみでわいわいとやっている。
こっちはそのまわりのテーブルに座り、隙を見てフラッティーニに駆け寄って、自己紹介をしながら日本とEUの入管の年次会議を始めたいとか、チャートフにUS-Visitの指紋の話をしたりとか...。
法務大臣なり、国家公安委員長なりが毎回こうした会議に参加していて彼らとの人間関係を作れていれば、拉致問題を今回の会議で一気に議長総括にのせることだってできたかもしれない。

何しろこうした公式会議は初めてだったので、何をどうしてよいかわからず、緊張気味にスタート。
議題1のテロリズムで、日本の入管法改正の取り組みや条約刑法の国会での状況などを説明し、テロの一つの例として北朝鮮による拉致問題を取り上げる。概要を説明した後、警察庁の吉村次長にテロ事件として少し詳しく説明してもらう。
G8の法相・内務相会議で拉致問題がこれほど詳しく取り上げられたのは初めてだったようで、ヨーロッパ各国の閣僚からその後、いろいろと話しかけられることになった。
驚いたのはEUの議長国として参加していたオーストリア政府の代表で、数年前まで在京の大使をしていたにもかかわらず、拉致問題のことを初めて聞いたと驚いていた。
これまでどちらかというとG8の外相会議で拉致問題が話し合われてきたが、司法関係、テロ関係でもしっかり取り上げていく必要がある。この会議にはロー マ・リヨングループという専門家会議があり、そこでとりまとめられたものが原則としてこの会議の総括文書に入る。拉致も専門家会議の議題に今後、のせてい くような努力が必要だ。
議題2のテロ対策の法的な枠組みの中では、EUのフラッティーニ副委員長から日本はTOC条約に沿った国内法の制定を急ぐべきだとの強いコメントが出された。彼は食事の席でもこのことを気にしていて、しっかりやってくれと激励をされた。
議題3のサイバーテロは警察庁に発言をまかせ、議題4の不法移民のところで再び発言。不法移民対策として生体情報を利用することの有効性と必要な情報を共有する枠組みづくりを訴える。
閣僚会議が行われている裏側では事務方が議長総括の文書づくりを並行して行っている。食事の席は団長(僕と吉村次長)は閣僚クラスの席、その他団員は他国 の団員との席とはっきり別れているために、事務方の交渉が行き詰まると、食事の席などを利用してどの国の誰々に働きかけろという指示が来る。遊覧船上(閣 僚用の船とその他メンバー用の船が違う)でもアメリカのゴンザレスをつかまえて云々などと二隻の船の間を携帯電話が飛び交う。
会議の間にやたらとコーヒーブレークがあるが、これを利用して二国間の会談が行われる。来年のG8議長国のドイツから再来年の議長国の日本にと、二国間会 談の申し入れがあり、来年の会議の議題にこういうものを入れたいとか、来年はミュンヘンでいつやることに決まったとかという話がある。日本の裁判員制度や 知的所有権の問題、日独の司法交流などの話も出て、あっという間に終わる。
EUに入管に関する情報交換の会議を持ちかけるが、フラッティーニ副委員長も非常に乗り気で、公式な二国間会談を申し込むまでもなく、食事の席であっさりやろうということに決まった。
北西アフリカからの不法移民がEUでも大きな問題になっているようだ。
今回はロシアの仕切りで夕食会には必ず音楽が付き、和気藹々。
しかもテロ対策のトレーニングセンター見学などもあって、日本代表もどうやら参加メンバーと顔がつながった。もちろん9月で替わってしまうと最初から人間関係作り直しである。
国会で閣僚が海外の会議に出られない、年ごとに閣僚が替わるなどというのはまったく内向きの政治であって、こんな馬鹿な日本式慣例のために日本は大きく後れをとっていることを肌で感じた。
政治も世界を意識しなければ。



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