2005年10月29日号
2005.10.29
厚生年金と共済年金の統合へ。
で、自民党の年金議連で作成した資料を見ていると...。
厚生年金はかついでいる人が3200万人、それに対してかつがれている人が1100万人。約三人で一人をサポートしている。
国家公務員共済は、かつぐ人が110万人、かつがれている人が60万人。1.76人で一人をかつぐ。
地方公務員共済は、320万人で150万人をかつぐ。その割合は2.09人で一人。
だから共済年金のほうが苦しく見える。
が、地方公務員共済の保険料は13.738%。厚生年金の保険料は14.288%。で、標準報酬は地方公務員共済は60.2万円、厚生年金は37.5万円。
厚生年金の年間の支出総額は31兆円、積立金が137兆円。積立金だけで4.7年分の支出をまかなえる。
地方公務員共済は年間支出5兆円、積立金が38兆円、約7.6年分の積立金がある。
苦しいはずの共済年金のほうが保険料に対する報酬がよく、積立金額も豊富なのだ。なぜこんなことになるのか?
平成十五年度で見た厚生年金の収入31兆円から代行返上分の4兆円と基礎年金交付金1兆4千億円を差し引いた25兆6千億円のうち、本人負担の保険料は、9兆6千億円。事業主と国庫負担は16兆200億円。事業主と国庫の負担割合は62%。
これが共済年金になるとどうなるか。(基礎年金交付金を除く)
地方公務員共済年金(平成15年度)を例にとると
保険料(本人負担) 1兆4900億円
保険料(事業主負担)1兆4900億円
国庫負担 3300億円
運用収入 7000億円
ということならば事業主(地方自治体)と国庫の負担割合は63%になる。
ところが、話はここで終わらない。
地方公務員共済年金には公金による追加負担が1兆3400億円もあるのだ。
つまり地方公務員共済年金の自治体及び国の負担割合は72%にものぼる。
国家公務員共済年金にも国庫の追加負担があるので、最終的な国庫負担率73%。
国家公務員共済年金の場合、本人負担保険料が5100億円、事業主としての国の負担がそれと同額の5100億円。
それに表の国庫負担が1400億円。が、国庫の裏負担が5200億円。
事業主として国が負担する分よりも多くの金額が、裏負担で計上されているのだ。
恩給から共済年金に移行するときにこうなったらしい。
この共済年金への裏負担を継続して、厚生年金と統合するのか、裏負担をやめて厚生年金と統合するのか。
裏負担のない共済年金を厚生年金と統合すると、厚生年金に悪影響は出ないのか、裏負担付きの共済年金を厚生年金と統合すると厚生年金の国庫負担分が増えることになるのだろうが、財政はそれでよいのか。