2005年3月10日号

2005.03.10

偽造キャッシュカード。
窃盗罪とは、「他人の占有する財を占有者の意思に反して奪取すること」。偽造キャッシュカードで引き出された現金は、その銀行が占有していたものであり、被害者はATM管理銀行だ。
預金者は、預金した現金を占有しているのではなく、銀行に対して預金債権を保有しているに過ぎない。だから、偽造キャッシュカードで金が引き出されると、銀行が被害届を出す。預金者は窃盗の被害者ではない。
という理屈を理解している人がどれぐらいいるだろうか。
それに加えて、銀行がなかなか補償していないということは(しかも国税庁が雑損控除を認めているということは)、預金者の預金債権が毀損したということだから、実際には被害を受けているに等しい。
だから、被害にあった預金者に被害届を出すことを認め、被害届を受けた警察が銀行に通報し、被害届の事実を確認すればよいはずではないか。
なぜそういう行政のサービスができないのかと尋ねると、警察庁のキャリア官僚は、被害届で犯罪の統計を取っているからダメだ。
統計に影響が出ない方法はいくらでもあるだろうに。

太郎塾がまた一つ成果を上げる。
2004年1月26日、環境部会でバーゼル問題の問題提起。
2005年3月7日、バーゼル関係の手続きの簡素化のための省令簡素化。
一年間に二階以上同じ内容の廃棄物の輸出入を行う場合には一括して申請を行い、輸入許可または輸出確認を受けることができるようになった。

環境部会長の時に経済産業省と環境省にバーゼル条約をめぐる問題提起をした。経済産業省はワーキンググループを作ったが、3Rイニシアチブで予算を分捕ろうとしている時にという腹があるのか、意味不明の結果になった。環境省が国際循環のワーキンググループをつくるが、どうも確たるビジョンもない。

バーゼル条約は先進国からの廃棄物が途上国で汚染被害を起こさないようにするものだが、途上国の廃棄物の適正なリサイクルを阻害する結果になっている。重金属を含む廃棄物を日本でリサイクルするためには、こうしたリサイクル資源を積んだ船が入港した後、環境省まで行かなければならない今のルールを変更し、港で手続きができるようにする必要がある。
現行ルールでは手続きに時間がかかるためにほとんど実績がない。
が、現場を知らない役所は、実績がないから必要がない、と。
重金属の精錬のためのリサイクル資源を輸入しやすくする国際循環港というシステムを作るべきだ。

さらに、リサイクル資源を中国に輸出する時の最大のリスクになっているのが、日中商品検査株式会社という企業が独占している輸出物の検査だ。きちんと中国と話をして、新規参入をどんどん認めなければならない。環境省の天下り先にしないという条件付きで。おっと、日中商品検査が天下り先になっていないだろうね。

まだまだ問題はある。たとえば容器包装リサイクル法に基づいて容器包装リサイクル協会が行っている入札は、全く何も公開されないという前代未聞のもの。しかも所轄官庁である環境省も経済産業省もよーくこのことを知っていてこれを見逃している。
入札した各社の値段を調べて回ると、最低価格を入れた企業でないところが落札している。でたらめもいいところだ。しかも、この協会は勝手に参入障壁をつくり、新規参入を排除している。これも環境省、経済産業省は見逃している。
二つの役所にぎゃあぎゃあ言ったので、6月から透明化というが、これからの入札の透明化はもとより、過去の入札結果を出すことができなければ、この協会は解散させなければならない。小型版社会保険庁、小型版外務省在勤手当なのだ。
容器包装リサイクル協会の入札では、75%が新日鉄かJFEだ。
残り25%を八十社が分け合っている。デタラメな入札の結果がこの数字だ。何かあるに違いない。新日鉄とJFEはマテリアルリサイクルではなく、高炉還元剤としてケミカルリサイクルをやっている。両社のケミカルリサイクルは投入前までの炭酸ガスデータのみ開示され、投入後のデータはない。
だいたい協会の人間が、マテリアルリサイクルを否定し続ける発言を繰り返す。不思議だ。なにか利権があるに違いない。そして、役所はそれを見逃している。
環境省はプラスチックは燃えるゴミだと言い始めたし。

新エネルギーのバイオマスをプロモーションしているかと思えば、食品リサイクルでは堆肥化、飼料化、油脂化、メタン発酵は認められているのにバイオマス化はできない。食品には塩分が入っているからダイオキシンがという理由らしい。規格を決めて脱塩すれば良いだけだ。
実は食品リサイクルによる堆肥は余ってしまって燃やされてしまったりもしている。メタン発酵は食品リサイクルの1%以下だ。
食品リサイクルでバイオマスをやれば、一次エネルギーの1%になるというデータもある。食品リサイクルのバイオマス燃料は炭酸ガスゼロとして計算される。

総務省の大臣政務官時代に行政評価局に言って外務省改革のフォローをしてもらった。その結果がでた。
とりあえず今回は外務省がやるといったことをきちんとやっているかどうかの確認なので、まあ、これはこれで一段落。が、在勤手当を含め、実質的なチェックをこの後も続けることになった。
在勤手当で衣食住の費用を経費化しているという外務省の言い分が完全に破綻していることは行政評価局もはっきりと認識している。
今回の調査でも、外務省職員の在勤手当に対する認識は、第二の給料だ。対外的な説明と外務省職員の意識はまるっきり違う。全くとんでもない役所だ。
公務員個人のポッポに入る金が人事院もノータッチというのはいかがわしい。なぜ、この金が個人の懐に入らなければならないのか。
外務省は大使館が管理すると経理業務が莫大になる等というがそんな非効率な経理なら人を変えなければならない。
出張する政務官に大使館の経理業務をしっかり見てきてもらおう。



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