2004年9月22日号
2004.09.22
中国出張から帰国しました。
19日から22日まで自民党・民主党両党の若手議員訪中団の団長として北京を訪問しました。
外交部、国務院、全人代の要人との会談や若手研究者との意見交換会などの日程でした。
隣のホテルには一日遅れて訪中した衆議院議長ご一行様がお泊まりでした。
個人的な印象では、首相の靖国神社参拝に関して、中国は公式参拝は受け入れられないが、私的参拝ならば認めるという方向に転換する可能性が(わずかでも)あるように思えました。
靖国神社の問題で日中関係が悪化し、特に台湾問題に関して中国の主張が理解されなくなってきていることへの懸念が中国側に強くなっているのではないでしょうか。
今回の訪中団の中からも、「台湾独立は時間の問題だ」「台湾が独立した時に中国が武力介入すべきではない」という発言があり、日本側ももっと台湾有事を現実の問題としてきちんと議論しておく必要があることを痛感しました。
日本が台湾の独立を支持することにより、台湾が独立を選択肢として考えはじめ、東アジアを不安定化させることは日本としても避けなければならないと思います。
台湾が独立を宣言すれば、中国は武力侵攻をせざるを得なくなるでしょうし、それに対してアメリカは介入することになり、日米同盟で日本がこれに巻き込まれる可能性がある以上、台湾独立は日本にとって容認できるものではないということを明確にしておかなければならないと思います。
「仮定の問題は議論できない」などという国会答弁ではなく、台湾有事にどういう選択があるのか、どういう選択をするのか、台湾有事を防ぐために何をすべきなのかということを、はっきりと国民の前で議論するべき時が来ています。
「(台湾の)独立はしても良いが言ってはいけない、(中国による台湾の)統一は言っても良いがしてはいけない」という言い方があるそうですが、両岸問題は経済的には関係を強めながら、政治的には現状維持という選択を両国がすべきだと思います。
台湾の独立容認ということを日本の政治家が日本への影響を軽々しく考えていうべきではないと思います。
中国のどういう序列の要人がどれだけの時間を取ってくれたということを日本側のマスコミや古い政治家はよく言います。中国側にもそういう意識があるかもしれません。しかし、最近の日本の若手世代の政治家にとっては、これはあまり意味のあることではなくなってきています。
長くだらだらと同じ話を聞かされることにあまり意味を感じずに、もっと内容のある議論をしたいと思っている日本の若手議員が増えています。中国でお目にかかる相手に、肩書きよりも、内容を求めるのはアジアの若手政治家全てに共通しています。
最近、アジアの若手政治家の間で中国におけるAリスト(会うべき中国の人間のリスト)とBリスト(できる限り会談を避けるべき中国の人間のリスト)が出回っています。例えば一時間近く乾杯の挨拶をやり、しかもその挨拶に内容が全くないような人がBリストに入っています。