2004年9月18日号

2004.09.18

第四十回日本移植学会総会最終日。
08:00 脳死臓器移植を発展させるための課題と対策
10:00 ドナーコーディネーター・移植システム
12:00 臓器移植 −日本とアジアの現況−
13:00 市民公開フォーラム打ち合わせ
14:00 市民公開フォーラム「生かせ、臓器提供の尊い意思」
16:30 市民公開フォーラム終了

最終日の移植学会。市民公開フォーラムでの講演とパネルディスカッションでのパネリストとして参加。
他に日本で五例目の脳死ドナーのご家族、日本での脳死ドナーから心臓の提供を受けたレシピエント、生体肺移植のレシピエント、移植コーディネータの四人。
心臓移植と生体肺移植のレシピエントは非常にお元気だった。脳死になられたお嬢さんの意思を受けて臓器提供に踏み切られたドナーのお父上の話は、打ち合わせの時からぐっと来るものがあった。

臓器移植法の改正案、特に本人の意思が残されていない時には遺族の判断での臓器提供を可能にするという点を説明し、臓器移植に関して、とくに法律の改正に関しては脳死の問題と正面から取り組まなければならないと訴えた。

「脳死は人の死」ではなく「脳死が人の死」、つまりこれまでの三徴候死(心臓死)は、厳密に言えば人の死ではなく、三徴候死は間違いなく短時間で脳死に至るので便宜上、人の死とすることができるという考え方を前面に打ち出すべきだと申し上げる。

今回の学会でも脳死をテーマに取り上げたセッションがなかったのは残念だ。脳死とは何かをどれだけ広くきちんと世の中に説明することができるかどうかが法改正のカギを握る。
脳死の問題は臓器移植だけではなく、終末医療などの問題とも関わってくる。ここできちんとしておくべきだ。

それとともに、医師法を改正し、弁護士会と同じような医師会を創設し、医療に関しては厚生省の関与することなく医師会が決定していくべきこと(医療保険やその他の行政行為が関わるものについては役所の関与が必要だが)を訴える。
フォーラム終了後、何人もの若手の医師から、その通りだと思うが非常に難しいという声を聞く。来年、再来年にできるとはとても思わないが、誰かが今日声を挙げなくては、いつまでもできないとハッパを掛ける。

アジアにおける臓器移植の現況のところで、中国は2001年を境にデータを出さなくなり、インドも2002年からデータを提供しなくなったという説明がある。
中国は死刑囚からの臓器提供という問題があり、インドも臓器提供に対する謝礼の問題があることが指摘されていた。日本人が中国で死刑囚から臓器提供を受けて移植をしているという話はよくある。
日本人が、海外での倫理的な問題に直面するようなことがないようにするためには日本国内での脳死臓器移植がきちんとできるようにする必要がある。
ちなみに2001年に日本での腎臓移植702件に対し、中国では5496件、2002年のインドでは4327件だった。2003年のアジアでのトップはパキスタンで2023件。日本は2003年には過去最高で864件。
2003年の肝臓移植は日本が最高で441件、次が韓国414件と台湾の136件。
2003年の心臓移植は、台湾68件、韓国15件、タイ5件、香港5件、サウジアラビアがそれに続く。(日本ではこの年心臓移植は一件もなかった)。



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