2004年6月10日号

2004.06.10

今国会最後の憲法調査会が開かれる。ほぼ全委員が五分間で最終弁論とでもいう発言をする。以下、僕の発言要旨。

戦後半世紀以上この憲法の下で我が国は平和と経済発展を享受してきたのだから、今さらこの憲法は押しつけられたものだという理由で改憲をしようとするのは意味がないと思っている。憲法改正は、日本の将来のために必要だから行うという未来志向の改憲でなければならない。
また、憲法というものが権力から国民の人権を守るためのものであるならば、この中に伝統を盛り込めとか国民の義務をもっと明記しろというのは少し違うのではないかと思う。
こうした前提で、憲法を改正するための手続き法を速やかに制定し必要あればいつでも改正が出来る状況にしておくのは立法府の義務である。現在の憲法調査会には議案提出権がないが、憲法調査会を今後どう改組していくかは改正手続き法の制定の中で決めていくべきだ。
憲法改正の中にもすぐやるべきものとさらに議論をするべきものがある。憲法九条の改正は喫緊の課題である。我が国の個別的自衛権と集団的自衛権を明記し、さらに世界の平和と安寧を守るためには日本も応分の責任を果たすということを盛り込む必要がある。
統治機構の問題では、参議院改革は最初の改正に盛り込むべきものだ。参議院が衆議院と法律の制定に関して同じ権限を持っているのは意思決定の問題になりうる。参議院を明確に第二院と位置付け、権限を弱めるか、道州制が導入された以降の地方の代表の府とすべきだ。
さらに、議院内閣制を行政のトップを直接選挙で選ぶ大統領制に変更することも議論すべきである。

ポスト小泉を睨んで、自民党の世代交代を進めようというグループが二十一人で立ち上がる。安倍幹事長や石原大臣など立場上メンバーになりにくい人達は、ポスト小泉の総理候補リストに入っていただくことになった。五時半から有楽町マリオン前で約一時間、メンバーのうち十四人が集まって、街頭演説をする。

ベルリンの壁の崩壊と似たような時期に、富士ゼロックス(日)とランクゼロックス(英)のあいだの壁もくずれはじめた。
ランクゼロックスがアジア・オセアニアの旧英国植民地各国に持っていた販売権を富士ゼロックスが買い取ってアジア・オセアニアのオペレーションを強化するためにシンガポールに地域本部を立ち上げたのは1991年だった。僕もその地域本部を立ち上げるための一員として二年間シンガポールに赴任し、アジア・オセアニアへのFAXやコピー機の新製品の導入を担当した。
カラーコピーの新製品をタイの国王に献上しようとして直前にクーデター未遂が起きておじゃんになったり、新製品導入に必要なスペアパーツの量をめぐってオーストラリアと大議論になったり、当時はアジア経済も好調だったこともあり、非常に楽しい時期だった。
その当時、地域本部を立ち上げにシンガポールに赴任した仲間が久しぶりに集まった同窓会が開かれた。あの時の二年間がアジアを理解するための基礎になっているし、あの時の日本や日本企業のブランド力と現在の日本の立場を比べると、十年間の変化がいかに激しかったかがよくわかる。
まるでシンガポールの日本料理屋にいるかのような一晩だった。



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