2003年2月11日号

2003.02.11

去年のアメリカの中間選挙で、上院議員の最有力候補だった人に会う。国際的に何千億円規模のプロジェクト投資をしているビジネスマンであり、中国のトップリーダーとも極めて近いという噂のある人物だ。
で、どうなんですか、と聞くと、中国には何百億円規模の投資をいくつかしたから、党総書記を初め、トップクラスとは個人的にも親しいつきあいをしているそうだ。しかも驚いたことに、中国に住んだ経験があり、かなり中国語ができる。
三年後、または六年後の上院選には出るつもりで、出馬したら、かなりの確率で勝つだろうから、米中間のトップレベルでの太いパイプになる。
そういえば、オーストラリアの影の外相も、やはり中国在住経験があり、中国語ができる。
中国は、着々とパイプをつくっている、いや、各国が中国とのパイプを作っている。
なぜ、日本には投資をしないのかと尋ねると、こんなに意思決定が遅くて面倒くさいところに投資をするつもりもないし、投資できるところは他にいくつもある、と。韓国でもかなり巨額のプロジェクトをやってきたようだ。
海外からの投資には、資本だけでなく、技術と経営がついてくる。
日本が今のように直接投資の受け入れを拒否していれば、経営も技術も中国に後れを取る。外資イコール悪のような言い方をする評論家の認識を問うてみたい。
日本の企業が中国というバスケットに卵を入れすぎていると言う認識で一致する。彼は、発展途上国のプロジェクトへの投資で、平均35%の利回りを確保している。なぜ、日本の企業は、発展途上国に出て行かないのかね、と笑っていた。

最近、赤ん坊と経済は、極めて似ていることがわかった。
理論と実態が違っている時は、必ず実態が正しい!
さっき120ccのミルクを飲んだから、お腹はすいていないはずだと言ってみても、ミルクを飲んだりする。
インフレ目標を設定すれば、インフレになるはずだといっても...。

ああ、アメリカは本当にイラクと戦争をする気なんだなと思ったのは、戦後のイラクの復興をどうするかという何十センチもある資料を見せてもらってからだ。
通貨はこうする、金融機関はこうする、電力はどこにどういう発電所を、教育は、サダムしか知らない世代へのリハビリは、等々驚くほど綿密なレポートがある。
アメリカ政府が発注したいくつもの調査の一つで、これがそのままアメリカ政府の公式な政策になるとは限らないが、とにかく詳しい。
別に機密資料ではないから、一部要約を郵送するよ、だそうだ。

アメリカの準備やNATOでのガチンコの議論をみていると、うちの川口外相の発言が、間の抜けたものにしか聞こえない。
日本はどうするのか。
もう旧い世代に任せられないことを痛切に感じる。



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