2002年11月20日号

2002.11.20

外務委員会。
北朝鮮問題に関する参考人招致。鈴木大使と森本拓大教授。
最初の予定では、もう一人北朝鮮の元工作員なる人物の招致が予定に入っていたが、前日に問題が発生。
参考人が招致された本人であることを確認できない。
招致されたのは大阪生まれの北朝鮮国籍の人物なのだが、身分を証明する文書によると、パスポートを含め全て中国生まれの中国国籍となっている。
そのうちにパスポートそのものが中国で買った偽造パスポートだという話も出てくる。
それでは本人確認ができないということになり、中国大使館に照会をかける。が、中国大使館からは確認がない。
結局、委員長裁定で、参考人招致を中止する。
では、なぜ偽造パスポートでビザが出るのかなどの疑問が残る。それが事実ならこれは外務省が明確に答えるべきもの。国会の課題の一つが外務省の説明責任を明確にすることと外交機密のきちんとした解除方法を確立することだ。アメリカ議会はCIAの活動についてもチェックしているのだから、機密事項とはいえチェックする必要がある。
外務省の事務方は、馬鹿の一つ覚えのように現役大使の国会出席は困ると言い続けるが、鈴木大使の招致は、委員長裁定で決定。
次回、金曜日の朝九時半、川口大臣に辞表をたたきつけた水野前政務官が質問に立つ。三十分の一本目勝負。(一本勝負ではなく一本目勝負。
必要ならばその次の回にさらにいくらでも時間をあげるとの野党のお約束もあるし)

いよいよ自民党税調のシーズンになる。各部会から、党税調に対して要望をあげるための作業が続々と始まる。部会長代理を仰せつかっている外交部会は、例年、要望がない。しかし、今年は、国際NGO小委員会の塩崎小委員長から、NPOの優遇税制に関して、外交部会から要望を出したいということになった。河本部会長から、この件の担当を命じられる。
もう一つは、副部会長をしている厚生労働部会。(自民党の部会では、部会長の下に部会長代理が一人いて、その下に副部会長が数人いる。自民党では、代理は一人、副は派閥代表の数人と言うことが多い。幹事長代理と副幹事長など)
厚生労働部会の税制改正要望は、なんと厚生労働省が仕切る。議員を勝手に四つのグループに分け、担当を割り振る。そして、それぞれに厚労省の要求する減税要求を教え込み、税調で厚労省の振り付け通りに発言をさせる。何のことはない鵜飼いと鵜の関係だ。
今の自民党方式は、税制は何でも減税を叫び、予算は何でも増額を叫ぶ。
議員の多くは無責任に、減税と予算増の両方求める。部会は担当する省庁の減税要求と予算要求をひたすら代弁する。役所もそれを当たり前だと思っている。
今度の厚労省の税制改正要望の中に、臓器移植に関わる費用のなかのいくつかを所得税減税の対象にするというものがある。
で、厚労省は、お前もこのために声を張り上げよ、と言わんばかりだ。
へえ、と言って厚労省の言いつけ通りに動く議員もいるかもしれないが、私はこの減税に反対だ。
もちろんこの減税で負担が軽減される患者さんもいる。しかし、この減税をやると数千万円以上の所得税の減収になる。もし、今、ここにそのお金があって、移植関係に使えるということならば、私ならば減税はしない。脳死移植を増やすために使う。
例えば、今、免許証にドナーカードと同じ効力を持つシールを貼って、臓器提供の意思表明をすることができる。免許証の更新者にこの説明をして、脳死移植に関するビデオを見ていただいて、イエスかノーかの意思表示をしてもらえれば、対象者は飛躍的に増えるはずだ。でも、ほとんどの更新者はそんなシステムがあることすら気がつかない。一義的には警察庁のなわばり根性なのかもしれないが、厚労省もそのための普及ビデオを作るなど努力が必要だろう。
こうしたことを筆頭に、臓器移植関係の予算は、まだまだ足りない。だから、臓器移植に関連した減税をやる前に、そのお金を、まず臓器移植関係で必要な施策を実行するために使うべきだ。
こういうと厚労省は目を丸くする。お前は減税要求に反対するのか、と。
今のシステムは、減税要求は何でも要求し、予算の増額要求は何でも要求する。で、財務省が認めたものが通る。政策はねじ曲がる。厚労省の、しかも臓器移植対策室という一つの部署のなかで、何が必要なのかきちんと優先順位をつけて、それに沿った予算要求と減税要求をするべきだ。
財務省の中でも主計と主税は別だというが、限られた財源で、無限の要求に対応するためには、なるべく現場に近いところが優先順位をきっちりとつける必要がある。
議員が鵜になってしまってはいけない。
まず脳死の提供者を増やすことにお金を使い、その次に、小児移植のための脳血流シンチレーターの準備なのか、骨髄バンクの患者負担の軽減なのか、それぞれの倫理委員会の実効性を高めるために必要な費用なのか、あるいはC型肝炎の生体肝移植の保険適用なのかという議論をしていく必要がある。
球を全部投げて、当たったものから、では政策は曲がる。



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