2002年9月23日号

2002.09.23

9月16日から23日まで、ワシントンに出張していました(日程などはホームページを参照ください)。
ワシントンでの講演が二つ、(一つは日本の国内政治に関して、もう一つは外交政策に関して)と、地位協定の改定に関して、国務省、国防省、それにNSCと意見交換をすること、さらに米国議会にこの問題をアピールすること、ワシントンで行われる日系アメリカ人博物館のボードミーティングに集まる全米各地からの日系人のリーダーにお目にかかることでした。
ベーカー大使をはじめ、いろいろな方のご協力をいただき、大変実り多い一週間になりました。
 しかし、ワシントンにおける日本への興味の無さには本当に驚きました。まるで、日本が世界地図から消えてしまったかのような印象でした。
 小泉総理の訪朝と日銀の株式買い上げのニュースが無ければ、誰も日本のことについて話しをしていなかったかもしれません。
 特に議会の関心の無さはひどいもので、マンスフィールドセンターをはじめ、いろいろなところが上院議員、下院議員の中間選挙後の訪日を働きかけていますが、全く興味が無いといったところです。下手をすると、北朝鮮を訪れる米国議員のほうが、日本を訪れる議員よりも多いということになるかもしれません。
 中には日米関係が上手くいっているという証拠だという人もいましたが、学生レベルでも日本関係の人気は急落し、アジアの言葉といえば中国語を勉強する学生が増えています。八十年代に日本に興味を持った研究者が、そのまま日本を追いかけているだけで、新しい気鋭の学者、専門家が出てこないと、古くからの専門家が心配していました。

 地位協定に関しては、安全保障、基地問題に携わっている人達の間では、最後は協定改定を取り上げるのも、やむなしという雰囲気があります。もちろんその前にいろいろな技術的な問題もありますし、地位協定までいかずに解決することができればそれが望ましいというのが本音です。
 安保、基地問題に関して、透明性を高めたり、説明責任を果たすことに、アメリカは積極的だが、問題は日本の外務省であって、ワシントンに来る前に東京で解決すべきことがたくさんあるだろうという意見もかなり強くありました。この問題は、私の講演のテーマの一つでもあります。

 小泉訪朝に関しては、北が拉致を認め謝罪したことに対する驚きがありました。しかし、拉致問題の解明は当然のこととして、ミサイル問題や核兵器問題に関しても、きちんと解決がなされなければならないということでは、アメリカはかなり強硬です。

 アメリカが日本を見ていない状況の中で、日系アメリカ人社会がきちんと日本と関わってくれるかどうかは非常に重要になります。この春に始まった日系人の招聘事業などを通じて、このつながりを強めていく必要があります。
 グレン・フクシマをはじめ、NHKの朝ドラのさくらを見たことがある人から、このドラマに対する意見がいろいろとありました。日本に行ったことが無い日系四世が日本語を完璧に話すことなんかありえない、三世の家庭が日本語を話すことなんかありえない、何でさくらはアメリカ人なのにイギリス英語を話すのか等など。NHKの日系アメリカ人に対する認識の低さにちょっとがっかりというところでしょうか。私自身もこの春来日した日系人と会うまでは、きっとさくらを見ても何も不自然に思わなかったでしょうから、やや小さくなっていました。

国内問題に関する講演では、自民党税調とそれを牛耳ってきた山中最高顧問をかなり強く批判してきました。日本の経済問題の一つの原因は、この極めて不自然な党税調なるものにあるのは明白です。経済運営の重要なツールである税制を私するこの党税調を速やかに廃止し、内閣が責任を持って政策にあたらなければなりません。過去がどうだったかなどということは、この際、全く関係ないのです。もちろん税制だけでなく、全ての問題に関して、政府がきちんと透明性を確保し、責任を持って政策決定を一元的に行うことが必要です。



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