2002年5月10日号

2002.05.10

信州といえばそば。
松本市内のおいしい蕎麦屋を探して、一人前もりそば二枚のところを一枚だけ。とにかく何でもよく噛んで食べることと言われているので、もりそばも一生懸命に噛む。あーあ、そばをよく噛んで、食べたのは初めてだ。
病院に見舞いにいくと、親父が先生に、こいつ外に出たとたんに蕎麦食っているんですよ、と告げ口する。えっ、そばを食った!? だめだよ今、そばなんか食っちゃ。昨日は何食べたの? カレー食べたって、おい、普通その胃の調子で刺激物は食わねえだろ。おまけに僕の担当医の一人が阪神ファンなもんだから、あやうく再入院になりそうだった。
こりゃしばらくはおとなしくしていなきゃと、島崎藤村の千曲川のスケッチと夜明け前を買い込み(破戒は病室で読み終えた)、ついでに旧制松本高校のことを書いた北杜夫の青春記を探したが無かったのでトルーマン・カポーティの短編集にして(まったく脈絡は無い)、しばらくは読書に明け暮れようかと思う。

国会関連のニュースを聞いていると、日本の野党は、権力の怖さに対する認識がまるで無いのではないかと思う。議会で少数派である野党が議員の身分に関する決議を多数決で決めようとしているのは、まったく本末転倒だ。
鈴木宗男代議士だって、有権者が選挙で選んだのだから、本来、その選択がどれほど悪かろうと任期中はがまんして、次の選挙ではこうした過ちを繰り返さないようにするべきなのだ(不愉快に思う人は多いと思うが、任期のある議員を選挙で選ぶということは、そういうことなのだ)。もし彼の行為が、法に触れていれば逮捕の許諾請求が出されるだろうし、証言に偽りがあれば偽証罪で告発すべきだし、最悪の場合、院の規則にのっとって除名することもできる。
議員辞職勧告なる根拠の無い決議を多数決で成立させて、これを悪しき前例にすれば、組織的に秘書の給料を上納させていた共産党の責任者松本ナントカ君や社民党の秘書の名義貸しの総責任者である土井ナニガシさんに対し、そうした理由をでっち上げて議員辞職勧告を出すなどということが、多数党により出来てしまうではないか。
ヒトラーの権力掌握への一歩は、議会の多数決で議会制民主主義に対する抜け穴を作ったことだった。気に食わないからといって、有権者の選挙による選択や国会、院のルールを飛び越えて、議会の多数決で議員の身分を云々してはいけない。
しかも、勧告決議案が成立してもすんなりと辞職するような潔いタマではないだろう。無視されるような国会決議を成立させて、院の権威はどうするのか。
再度の証人喚問というが、なぜ、予算委員会なのか。懲罰委員会でも、決算行政監視委員会でも、しかるべき委員会はほかにあるはずだ。

もちろん、自民党の責任も重い。鈴木代議士が離党したから後は知らないというのでは済まない。早急に小泉総裁、山崎幹事長、そして他でもない野中代議士が釧路、根室に飛んで、この地域の自民党員の皆さんに、次期総選挙では自民党公認の北村直人代議士を当選させるように全力投球してほしいと、心からお願いをしなければならない。
加藤前代議士、井上前参議院議員のケースも、同様に一刻も早く地元で公認候補を決めて、全党を挙げて新人の当選のために運動を開始すべきだ。

政治の問題と国家の大問題を同時並行で議論できないわけがない。経済の議論、有事法制の議論、郵便事業への民間参入の議論、そして、政治と金の議論、それぞれの委員会で、どんどん議論すべきだ。



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