2002年5月28日号
2002.05.28
五月はじめ、そろそろ退院の予定も決まったときに、メルマガで、肝移植の報告をしました。愛妻の苦労のことやドナーになるかもしれない人たちのことや、痛みのことやいろいろと書きました。
でも、それを読んだ新聞記者(いや、多分、それを読まなかった新聞記者)が、書いた記事には、ほとんどそんなことは載りませんでした。
三大紙のホームページにも、僕の書いたメルマガの要約とは似ても似つかない記事がでました。せめて、リンクでもしてくれれば良かったのですが。
まあ、マスコミなんて、そんなものかなとも思ってましたが。
しかし、その後、きちんと時間をとって取材を受けて、あげくの果てに、今度は、河野太郎氏再び引退勧告。いったい真面目に紙面を作っているのですか。
C型肝炎の問題や移植のことや、これからドナーになる人のことには、紙面を割く価値もないと思っているのですか。
僕自身は、子供のころからアトピー性皮膚炎です。アトピーには、ある程度確立された治療方法があります。ところが十年前ほどから、アトピーの治療に使うステロイドを副作用が強く、治療に使うべきでないかのような報道をマスコミが繰り返したことがありました。その結果、ステロイドによる治療をあきらめ、わけのわからない(つまり医学的根拠の無い)治療法がもてはやされることになり、それを信じてアトピーをさらに悪くした人が結構いました。アトピービジネスという言葉までできたほどです。
C型肝炎に関しても、肝炎ビジネスのようなものが、出始めています。
そうしたものを防ぐために、C型肝炎、インターフェロンをはじめ治療法に関する正しい情報が発信されることは、非常に大切です。
肝移植に関しても、きちんとした情報が発信され、そして、ドナーになる可能性のある人が、おかしなプレッシャーなく、決断できるようにしてあげなければなりません。
僕よりもはるかに深刻な悩みの中で決断をしたドナーの先輩方からいろいろなメールをいただきました。生体肝移植というのは、ある意味で、追い詰められた状況での決断です。そして、これから増えていくことです。
マスコミが果たす役割は、非常に大きいですし、大事だと思います。
そういうことも考えて報道をしてほしいと思います。
今晩、高輪の宿舎に戻ってくると、玄関ロビーは、新聞記者さんで大賑わい。今日は、大半が野中番の記者さんだそうです。政治の報道って、じーっと政治家が帰ってくるのを待っていて、コメントを取るのが仕事なんでしょうか。どうせあとでノートを比べあうならば、最初から順番を決めて、一人が待っていればいいんじゃないの。
政治家も政治部も早く世代交代して、惰性でやってきた習慣を捨て去りましょう。お互い、がんばろうね。