2001年9月14日号

2001.09.14

Dear Taro:

Unfortunately, my last e-mail was wrong.
Terry Lynch was in the Pentagon when it was hit and is presumed dead.
The funeral will probably be in Washington on Tuesday.
Let me know if you want further details.

Robert

今から17年前、当時民主党の下院議員だったリチャード・シェルピーの議会事務所の中で、テリー・リンチ、ロバート・トムキン、それに河野太郎の三人の男性は、気の強い、議員をも平気で叱りとばす女性達に囲まれていました。
テリー・リンチは、オハイオ州のヤングスタウン出身で、同郷出身の奥さんのジャッキーとティファニー、アシュレーの二人のお嬢さんとの四人家族でした。大のスポーツ好き、いつもスポーツイラストレイテッド誌を読んでいて、当時五歳ぐらいだった娘のティファニーにTボールを教え、同僚のロバートと僕を週末のソフトボールの試合に引っ張り出し、ワシントン郊外のJC(青年会議所)の理事長としても活躍していました。
85年の4月1日には、当時のレーガン大統領の物まねの名人をよんできて、あたかも共和党のレーガン大統領がMXミサイルへの支援を民主党のシェルビー議員に要請しているような電話をかけてもらい、シェルビー議員はそれをすっかり信じて、大統領、もちろん私はあなたを支持します、と緊張しながら答えていました。そこへ、スタッフと我々のレーガン大統領がコードレス電話で話しながら入ってくると、静かに、今、大統領と話しているんだ! そこで初めて電話口の大統領と目の前にいる男が同じことを言っているのに気がついて...。
シェルビーが絶対に無理といわれた上院選挙に出馬し、コンマ何パーセントの差で現職を破った晩、東京からかけた僕の電話に出たのがテリーでした。
どうよ? 勝ったぜ! ウォー!
あのミサイルに関するレーガン大統領の電話のせいか、シェルビー上院議員は共和党に鞍替えし、上院の情報委員会の委員長になりました。テリーは情報委員会のスタッフになり、大量殺戮兵器や湾岸戦争シンドロームに関する仕事をしたあとで、コンサルタントとしてブーズ、アレン&ハミルトンに入りました。
そして、テロリストが操る飛行機がペンタゴンに突入したときに、テレンス・マイケル・リンチ(49)は、ブーズ、アレン&ハミルトンの二人の同僚と共に、その場所で、国防省のスタッフと打ち合わせをしていました。

このテロに対する米国の対応を支持する小泉首相の発言を、日本の多くの旅行者や海外居住者への危害が限りなくゼロに近くなるような手だてをしたうえでの発言なのか、と非難した人がいた。
この星の上の文明社会に対する戦いを挑んでいるテロリストを相手にしている今、日本の国籍を持つ人間をそうでない者と区別する意味がどこにあるのか。日本人だけが、亀のように首をすくめていれば良いとでも言うのか。
日本人の旅行者だけが安全であれば良いのか。それで世界経済が守れるのか。
いったい日本の経済の、日本の金融のどれだけが外の世界とリンクしていると思っているのか。飛行機が飛ばない、船が入港できない、そんな状態がアメリカで続けば、日本の食糧の供給はどうなるのか。あの湾岸の石油を積んだタンカーが、動かなくなって最初に悲鳴を上げるのはどこの国か。
日本政府が、日本人を守る方法はただ一つ。
この地球上の他の文明社会と手を結んで、自分の責任を果たし、自分の責任の範囲を守り、手の薄いところには手を貸す。日本人も外国人も分け隔て無く守るからこそ、海外の日本人を守ってもらえるのではないか。

アメリカでさえもテロの犠牲になった。自衛隊しか持たない、エシュロンのような傍聴装置を持っていない、CIAのような機関を持っていない日本が、そんなテロリストと戦えるわけがない、だから日本はテロリストを刺激してはいけないということをいう人がいる。ちょっと待って。それは、総会屋に株主総会を荒らされたくないからお金を渡す、暴力団に因縁を付けられて、こわいから警察に届けず穏便に済ます、のと同じではないか。いじめっ子と一緒になって同級生をいじめないといじめられるから、いっしょにいじめるのとどこが違うのか。これだけのテロ集団と一国で戦うのは、たとえアメリカといえども無理だ。しかし、みんながテロを許さないと言う覚悟でテロリストに立ち向かえば、テロを封じ込めることは可能になるのではないか。
政府の活動は憲法の範囲内でなければならないのは当然である。しかし、憲法は、我々がその時に応じて直していくものだ。冷戦が終わり、全く新しい世界が生まれつつある今、その世界の平和と繁栄を守るために、日本がやらねばならないことがある。
今、日本は何をすべきなのか、そして、そのためにどういう準備をする必要があるのか、きちんと議論しなければならない。
共産党や土井たか子さんのように議論する事自体にノーと言ってしまえば、日本はいじめられるのがこわくていじめっ子に従う子供になってしまう。



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