2001年7月27日号

2001.07.27

午前中、イギリスのBBCの取材。選挙と選挙後の小泉改革について、まずラジオ、ついでテレビの取材。
午後は、日本ビデオニュースというインターネットで情報を発信する新しいメディアのインタビューを受ける。ブロードバンドが発達し、メディアの発信コストが安くなれば、政治に関する情報も、テレビや大新聞の政治部を経由しないで国民に発信することができるようになる。そういう意味でも非常にインターネットは貴重だ。インタビュー終了後、そのまま東京駅に。

群馬の高崎まで応援に向かう。
摂氏四十度なんていうニュースをこれまでずっと聞いていたから、一番薄い夏物スーツに、タオルを鞄に詰めて出かけたが、なんと涼しい! 
ほっ。
高崎で、企業団体の総決起大会なる集会に参加し、応援演説のあと、宣車に乗って高崎市内を候補者と走り回る。群馬のウグイスは、早口だ!八時十分前頃から高崎駅東口で最後の駅頭演説で終了。午後九時半の新幹線で帰る。群馬って遠いイメージがあったが、新幹線だと東京から一時間かからない。

公職選挙法も不思議だが、国会法も不思議だ。
国会法の規定によると、予算を伴わない法律案は、二十名の賛同者がいれば提出できることになっている。
しかし、現実に、河野太郎が二十人の賛同者と一緒に法案を提出しようとすると、衆議院の事務局が、受け取れません、と言う。なぜならば、昭和三十何年から、自民党の歴代幹事長が、衆議院事務局宛に、国会法の規定に関わらず、党の四役、つまり幹事長、総務会長、政調会長、それと国対委員長のハンコがない自民党議員の法案提出は認めないようにというお手紙を出している。そして、衆議院事務局は、慣例により、その手紙どおり、四役のハンコをついてもらってきてください、と法案提出をお断りする。おそらく、今日現在、野党もほとんどこういうことになっているはず。
で、こんなことは国会法を無視した衆議院事務局の暴挙ではないか、裁判に訴えてやると息巻くと、どうぞ、どうぞといなされる。
既に、裁判に訴えた議員がいて(たしか社会党の議員だったと思う)、最高裁の判決は、これは立法府の中の話であり、立法府がどういうルールのもとで、運営されるかは立法府が決めるべき事であり、司法府がとやかく言うことではない、ということになっている。だから、衆議院事務局もすましたもの。
四役のハンコを自民党でもらおうとすれば、部会、政調会、そして総務会に、その順番に、それぞれ全会一致でご承認を頂かなければならず、正義感に燃える若手議員が徒手空拳で向かっていっても討ち死にするようになっている。
要するに、候補者の意見など、有権者に届かない選挙で良くて、執行部の意に逆らう議員立法など、やらんで良くて、という国会を、これまでの与野党の幹部の人たちは作ってきた。

今年の通常国会で議員立法で成立したフロン法は、まず、京都議定書に基づく地球温暖化対策を、この国はほとんど何もやっていなくて、フロン法というのが、いわば国際公約のようになっていたこと、もちろんオゾンホールの問題にもそれなりの関心が高まっていたこと、反環境の権化、通産省が、自動車リサイクル法をやりたくなくて、五年ぐらい引っ張るつもりだったため、それに先駆けて、カーエアコンを対象にするフロン法をやるよ、ということになったら、なわばりを守るために通産省があわてて腰を上げたこと、熱心なNGOがここ数年必死にこの問題を追いかけていたこと、自動車業界が自主的に回収に取り組んでいるなどと大見得を切ったものの回収率は一桁レベルで、あわてて回収可能量などというイカサマ数字を通産省がでっち上げて、それでも全然数字があがらなかったほど現実がひどかったこと等の要素があって、それでもやるぞといってから二年以上かかっている。
小泉改革の中に国会改革、自民党の意思決定改革を含めなければならない。



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