2001年6月28日

2001.06.28

緊急経済対策特命委員会等合同会議。
株式取得機構に関する中間報告。満場一致で反対。議論は途中でうち切り。

なぜ、こんな機構が必要なのかという声が圧倒的。資本注入及び国有化という既存のスキームで対応できるではないかという意見とこんなボロ株買い取り機構を作ってどうするのだという声。
買い取りの対象となる株は、上場株、あるいは民間の格付け機関の格付けによって制限を設けるからボロ株にはならないという金融庁の答弁。
この機構の目的は何か、という問いに、金融庁は銀行に株の保有制限をかけるので、もし、一定期限までに市場で売れなかったときのセーフティネットだと金融庁答える。はあ?
そこで、ボロ株は買わないように買い取りに制限をかける、しかし、市場で売れないときのためのセーフティネットだというのなら、矛盾しているではないか、売れないのは、ボロ株だろうし、一定以上の評価のものは、市場で売れるではないか、と尋ねるが、回答は意味不明。
と、金融庁がセーフティネットというならば、それは日本の株式市場が不完全市場だと認めているのと同じでそれは大問題だぞ、という声が追い打ち。
こんな機構作っても株価には何の意味もないぞ、という声に、これは株価対策、PKOのためにやるのではないと金融庁。それに対し、前に座っている幹部から、ちょっと待て、その局長の答弁はおかしいではないか。PKOで無いことはないぞ、と。
さらに、出席者から、株価はその企業の将来収益を反映して、上下するもので、金融庁の前提は、企業の将来収益は下がるということなんだな、と。
株価の低落は、銀行のオウンリスクではないか、さらに根本的な話で、このスキームで、銀行の貸し渋りが解消するとは思えないという意見も。
ボロ株が市場に出れば、価格は下がるが、それは下がるべきであり、企業業績が上がりそうならば、価格は上がる。それがコイズミ構造改革ではないか。
市場の評価を遮断するのは間違っている、と。
参院選挙の前に、資本注入のスキームに加えて、銀行にさらに公的資金を入れる枠組みのようなものを作るのは、どうかしている、と。

ここで、行革本部の中間とりまとめのために、僕は退席。行革本部で、環境事業団の債権回収事業になにも触れられていないのはおかしいではないか、PCB処理事業も、それだけが事業団に残るならば、直接執行なり民間委託なりにすべきだと中間とりまとめに強くクレームを付け、緊急対策に戻る。

塩崎、渡辺、伊藤各議員が塹壕を掘って徹底抗戦の構え。聞いたら機構については、全員反対だったとのこと。
議論はうち切られ、不良債権処理の議論に移る。RCCに関する問題点の指摘が相次ぎ、アメリカのRTCのように期間を区切れとの声が。塩崎さんが五年のサンセット法案を議員立法でやるべきだと。
要注意先債権に手をこまねいていたり、申請主義の銀行行政はだめだ、RCCは単に不良債権処理を長引かせ、職員の仕事場を確保しているだけではないのか、との意見が相次ぐ。金融庁の出してきた数字は、極めてミスリーディングで、意味がないではないかとの批判も。

最終処理のスキームに最大の問題であるはずのリスク管理債権でない、特定産業の大手二、三十社の問題が含まれていない、この債権の引き当てがないのが問題ではないか、なぜ金融庁はこの問題を避けるのか、申請主義をやめるべきだとの強い意見がでて、みんな大演説になっていた。八時からの会議は十時まで続き、その部屋で、政調の正副会議が開かれるため、部屋を明け渡さなくてはならず、会議終了。



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