財政の立て直しを

2025.12.28

来年度予算の政府原案が122兆円を超える規模になり、危機感を感じています。

我が国の政府の債務残高は1000兆円を超える規模に膨れ上がり、GDP比でも200%を大きく超えています。

しかし、それだけの債務があってもこれまでは低金利が続いていたので利払費が極端に増えることはありませんでした。

それどころか1990年度と比べて政府の債務残高は数倍になっているにもかかわらず、利払費は減っていました。

ここで日銀の金融政策が正常化に向けて動き出し、政策金利が引き上げられるなかで、長期国債の利回りは2%を超えました。

それに伴ってこれから発行される国債の金利は上がっていきます。

これまでは金利が低く、利払費の心配もそれほどなかったため、その年の歳出をその年の税収、税外収入等でまかなうプライマリーバランスを均衡させることを目標としてきましたが、これからは利払費を含む財政収支を視野に入れた財政運営が必要になってきます。

そのためには無駄な事業を切ることはもちろん、歳出の枠の中で優先順位をつけて、歳出を切り詰めていかなければなりません。

インフレの中では税収が増え、一時的には財政が好転しているかのように見えます。

しかし、金利の上昇に伴って利払費の増加が追いかけてきて、財政状況はいずれ悪化していきます。

債務がさらに膨れ上がり、金利も上昇していくなかで利払費が増え、さらに借金をしなければ社会保障費などの必要な支出もできなくなり、借金が雪だるま式に増えていくことは防がなければなりません。

まず第一に、基金を廃止して、年度ごとにその予算が必要かどうかをしっかり見極めていくことが必要です。

基金に積む金にも金利がかかっているなかで、あらかじめこの事業にどれだけの金を使うかなどを決めておく余裕は、今の日本の財政にははっきり言ってありません。

第二に、我が国は資本主義経済、市場経済ですから、経済を発展させるのは民間部門だという考えに立ち戻らなければなりません。

いつの頃からか、政府が金を使えば経済を成長させられる、経済の次の柱となる新しい産業を育てられるという社会主義的な考え方をする政治家が増えてきました。

これだけ補助金だ、基金だといって政府の歳出を増やし、借金が増えてきたにもかかわらず、日本の成長率は低いまま、潜在的成長率も上がらず、GDPでは日本よりも人口の少ないドイツに追い越されたことをみれば、それは空想だということがわかります。

政府が金を使えば経済が成長するわけではありません。

そもそも古くは通商産業省、今の経済産業省が「国策」と称して行ってきたもので成功したものがあったでしょうか。

かつて私が勤務していた富士ゼロックスは、通産省が音頭をとったシグマ計画に参加していましたが、惨めな失敗でした。

この他にも第五世代コンピュータ、アナログHDテレビ、クリーンコール、原子力ルネッサンス、日の丸液晶、クールジャパン等など失敗したものは枚挙にいとまがありません。

また、中小企業支援という名目で、出資でも融資でもなく補助金として税金を湯水のごとくばら撒こうとする事業が跡を絶ちません。

そのほとんどはまともに事業の評価の公開すらしていません。

政府が金を出せば経済が動くという考えを改め、民間企業の活動を自由にするための規制改革に踏み出さなければなりません。

世界で最も高齢化が進んでいる社会である日本で、自動運転が全く進んでいないという現実を規制の失敗として直視しなければなりません。

自由民主党は「保守主義」の政党です、いや、そのはずです。

それなのに財政に関してはまるで社会主義政党のような振る舞いをするのはなぜなのでしょうか。

もっと政府の限界を認識し、民間の活力を信じる政治をするべきです。



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