- HOME
- » ごまめの歯ぎしり » 22A核燃料サイクル » 原子力規制組織の独立性
原子力規制組織の独立性
2012.02.09
自民党の原子力規制庁に関する法案がまとまった。
政府案との違いのひとつは、政府からの独立性の違いにある。
自民党案と政府案、それに各国の規制組織の独立性に関する比較をしてみると、
自民党案 政府案 米 仏 英
独立性 独立 政府の一省庁 独立 独立 独立
許認可(免許) 三条委員会 環境相より委任 NRC ASN ONR
規制 三条委員会 政府の一省庁 NRC ASN ONR
危機管理OnSite三条委員会 総理 NRC ASN ONR
危機管理OffSite 総理 総理 州政府 県 国
放射線防護 三条委員会 文科省 NRC ASN ONR
核セキュリティ 三条委員会 規制庁・文科省 NRC ASN ONR
保障措置 三条委員会 文科省 NRC EURATOM
さらに細かく三条委員会と政府の一省庁としての規制庁を比較すると、
三条委員会(自民党案) 規制庁(政府案)
権限 独立権限 政府の一省庁
人事 国会同意人事 内閣・大臣が任命
予算 独立予算 環境省予算・エネ特
しかも政府案では規制庁の職員のうち、審議官級以上の7ポストにだけノーリターンルールを適用する。
政府案では、今回の事故を招いた独立性、専門性の欠如に対する改善にはならないし、IAEAのルールにも合致していないのではないか。