総裁選挙 候補者所見発表演説会

2024.09.12

私の演説の聞き起こしです。
私は候補者九人中、七人目でした。
 
 
 
ようやく7回表になりました。
河野太郎でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
世界情勢が、混迷を極めております。中国、ロシアといった独裁政権が、力による一方的な現状変更を行おうとしている、いや、もう既に、ウクライナ、東シナ海、南シナ海では、それが、行われております。
我々は、これまで、一国平和主義、あるいは日米同盟こうした言葉の後ろに隠れていた。
これまでの自由民主党の総裁選挙は、国の形をどうするという議論をする、そういう総裁選挙でしたが、今回の総裁選挙は、世界の形をどうする、そういう議論を、自由民主党の総裁選挙でやらなければいけない、そういうときが来たんだろうと思います。
 
本来、こういうときに、世界をどうするか、アメリカの大統領選挙の中で議論がされてきたのが、これまでの世界の歴史でしたが、残念ながら今回の大統領選挙を見ていても、世界の形をどうしようという議論は聞こえてまいりません。
今や、日本が、自由、あるいは民主主義といった共通の価値観を持つ国々としっかりと連携をして、どうやって、世界の平和と安定をどうやって、共通の価値観を守っていくのか、それをしっかりと議論をし、日本の主張を聞いてもらい、そして日本がその役割を果たしていかなければいけない時期に来ているんだと思います。
共通の価値観を持つ国々と、新たな世界の平和と安定を守るための枠組みをつくると同時に、もはや一国平和主義ではなく、世界全体の平和と安定、共通の価値観を守るために、日本はどういう責任を果たすのか、どういう応分の役割を果たすのか、それを日本はきっちりと主張すると同時に、実行していかなければなりません。
今や、どの国も自分だけでは、一か国だけでは、平和や地域の安定を守ることが出来ない。
それを、その認識を国民の皆さんと共有し、我々は世界に向けて、日本の役割責任を発信をしていかなければならない。その時期に来ています。
 
我が国も応分の責任を果たす、今、自由民主党では、憲法9条に自衛隊を明記しようという議論をしております。
もちろんそれが第一歩であることは間違いありません。
しかし我々は、その先をどうするという議論をしなければなりません。
それもかなり早く。
我々は、必要に応じて、世界の平和、地域の安定を守るために、行動する用意がある。
それを世界に向けてしっかり今発信をしていかなければならない。
そうした世界の形をどうするという議論を、日本が発信すれば、今、世界は耳を傾けてくれます。
ならば、日本は、情報を発信するだけでなく、行動に移さなければならないと思います。
 
日本は、自由主義経済市場主義経済の国であります。この日本の経済を発展させ、今日の私たちの暮らしを築いてきたのは、日本の一つ一つの民間企業の努力のたまものであります。
政府が財政を支出したら、経済がどうにかなるのか。
政府が補助金をつけたら、その産業が発展するのか。
少し我々は、考え方をもとに戻さなければならないんだと思います。
政府が次の産業を果たして目利きできるものでしょうか。
20世紀、世界に冠たる我々の自動車産業や家電産業、企業が努力して、産業が出来た。
ウォークマンにしても、ファミコンにしても、そこで働いている人の英知の結集が、ああした製品になったんではないでしょうか。
今、我々がやらなければいけないことは、政府が何を後押しします、これをやります、あれをやりますということではなく、民間の活力を解き放つための規制改革をやらなければいけない。
なぜ日本で自動運転が実験出来ないのか。
エストニアではもうケンタッキーフライドチキンの配達を自動運転の車が時速40キロで町なか走っています。
日本では、ハンドルをさわらなくてもいいのに保安員が乗って、時速6キロなり10キロでたらたらと走っている。
高齢化が一番進んでいる日本で、一番自動運転が求められている日本で、なぜそうなるかといえば、規制改革が進まないからです。
今我々は、民間の活力をしっかりと説きはなつために、傷だらけになっても、規制改革をやり遂げる。
その必要があるんではないでしょうか。
 
これまで私は、コロナワクチンだったり、あるいはマイナンバーカードだったり、様々な批判を受けましたが、前面に立って、この改革をやり遂げてまいりました。
外務大臣のときには、スタンプラリー外交と言われましたが、延べ123か国を訪問し、950回の会談を行って、その結果、G7でミャンマー問題が日本対その他で対立になったときに、相手の国としっかりと話をして解決をすることが出来た。
パレスチナの会議で日本が共同議長をやってくれ、そう頼まれるようになりました。
これからも、この日本の国を前に進めるために、傷だらけになっても、改革をやり遂げた。
その私の実績をぜひ見ていただきたいと思います。
 
有事は、外交安全保障だけではありません。
お一人お一人の、国民お一人お一人の生活の中に、有事があります。
物価高であったり、老後の不安であったり、孤独孤立の問題、子供の貧困男女格差、あるいは災害、生活の中にある有事としっかり向き合って、そしてこれを一つ一つ解決をしていかなければなりません。
そのために、今まで難しいことをなし遂げた河野太郎の実績を皆さんにしっかりと見ていただいて、皆さんとともに、こういう国民の中にある有事を一つ一つ、解決をしていきたいと思います。
 
私がこの総裁選の中で、非常に気にしているのが、あれをやりましょう、これをやりましょう、それはいいです。
しかし、給付には負担がついてまいります。
補助金には財源が必要です。
スピードは、いろいろあるかもしれませんがこれから金利が徐々に上がっていく中で、我が国の財政をどうするのか。
プライマリーバランスを均衡させますというだけでは、もはやすみません。
財政収支をいかに見通していくのか、そういう議論がなければ、利払いで首が回らなくなる。
給付金を出すどころか、必要な社会保障に金を回すことが出来なくなる。
そんなことになってはいかんと思います。経済か財政かではない。
経済も発展させなければいけないけども、財政も健全化していく必要があります。
コロナの前にはリーマンショックがありました。
その前には、アジア通貨危機がありました。
危機のときには、財政を出動させ、皆様の生活をしっかり守る。
しかし、平時には、そのための財政余力をきちんと積み上げる、そういう努力が必要なんだろうと思います。
 
耳ざわりのいいことだけの議論で、この総裁選、終わらしてはいけません。
しっかりと、難しい問題も、国民の皆様にきちんと説明をし、多くの国民の皆様、良識のある国民の皆様は、そういう議論を待っているんだと思います。
そういう議論をしっかりやることで、やっぱりこの国を任せられるのは、自由民主党しかない。
国民の皆様の、そういう信頼を勝ち得るのが、この総裁選挙なんだろうと思っております。
27日まで、ひるまず、論戦を挑んでまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。


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