新型コロナの最新状況

ワクチン担当大臣を拝命してから、機会があるごとに、ワクチンや新型コロナに関する知見を持っている専門家からオンラインで話を伺ってきました。

今回、アメリカの公衆衛生の専門家から、最新の状況を伺いましたので、シェアしたいと思います。

まず、オミクロン株について。

変異株に関して問題になるのは三点、その感染力、重症化しやすいかどうか、ワクチンの効果に影響があるかどうか。

オミクロンに関しては、あと一、二週間でさまざまな分析が出てくるだろうから、確定的なことというよりも現時点での個人的な推測を述べる。

感染力の強さについては南アフリカの情報をみるかぎり、かなり心配だ。

重症化するかどうかについては、今の時点ではなんとも言えない。

重症化しないという意見もあるが、変異株は初期の段階ではいつもそう言われる。

初期に変異株が見つかるのは旅行者に多く、旅行者の多くは若くて健康でワクチン接種済みだ。

高齢で基礎疾患がある旅行者は少ない。

三十代でワクチン接種済みのビジネスマンが出張先の空港で変異株に感染しているのが見つかって、無症状あるいは重症化していないからといっても、それで安心はできない。

南アフリカでの入院数が増えているという情報もあり、それとオミクロン株の関係もまだ不明。

現在のワクチンの有効性については、中和抗体に関する情報が一、二週間で出てくるはず。

T細胞に関する情報も三、四週間ででてくるはずなので、重症化予防についてもさらに詳しくわかるだろう。

自分の個人的な推測は、ブレークスルー感染は増えるが、ワクチンをうっていれば、多くは軽い症状で済むだろう。

しかし、高齢者や基礎疾患を持つ者は用心する必要がある。

ワクチンの3回目接種をしっかりとやるべきだ。

3回目接種で、中和抗体の水準がとても大きく上がる。

ファイザーとモデルナのワクチンも、3回目をうつことが重要だ。

交差接種にした方が有効性が高まると言えるかどうかはわからないが、交差接種により有効性が下がることはないだろう。

PCR検査と抗原検査には違う目的がある。

PCR検査で、ウイルスに「感染しているかどうか」がわかる。

抗原検査で、ウイルスを「他人に感染させるかどうか」がわかる。

ウイルスに感染した直後はPCR検査でも抗原検査でも陽性にならない。

数十時間後からPCR検査で陽性になるが、まだウイルス量が少なく他人に感染させない。

ウイルス量が増えてくる時期にはPCR検査でも抗原検査でも陽性になる。

やがてウイルスが減っていき、抗原検査では陰性になるが、PCR検査ではまだ陽性になる。

抗原検査は偽陰性の割合が高いというのは、正確ではない。

調べているものが違うので、PCR検査と抗原検査の結果が違うことは当然にある。

抗原検査ではその場で15分で結果がわかるので、陽性ならば、隔離することができる。

PCR検査では、検体を検査機関に送り、結果が出るまで半日から1日かかるので、陽性が出た時には、すでに他人と接触している可能性がある。

だから、ある人がコロナに感染し、他人に感染させる状況かどうかは抗原検査で調べるほうがよい。

クリスマスにおじいさん、おばあさんのところに集まるならば、まず抗原検査をやって全員が陰性ならば、かなり安心できる。

新型コロナウイルスは、やがて急性期/拡大期から慢性期/共存期に入るだろう。

個人的には来年の前半にはフェーズが変わるのではないかと期待していたが、オミクロンの出現で、それは先送りされた。

しかし、ワクチン接種が進み、3回目接種の割合が高くなれば、そうなっていくだろう。

アフリカでも来年にかけてワクチン接種は進んでいき、そうなれば世界全体で落ち着いていく。

今後、世界はインフルエンザとコロナという二つの病気との共存をしていくことになるだろう。

そのために、病院にはこれまでよりも大きな負担がかかることになる。

インフルエンザとコロナの二つの病気と共存するためには、長期的な病院の能力拡大など、今のうちにやっておかなければならないことがある。

コロナの場合、飲み薬で治療ができるようになるはずだ。

ファイザーが開発したプロテアーゼ阻害薬は、データを見ると重症化予防の効果が非常に高く、変異株にも有効だ。

当面の課題は生産能力だろう。

中和抗体薬については、オミクロンに対する効果を維持するために若干の修正が必要になるかもしれないが、引き続き、効果があるだろう。

今回の新型コロナは最後のパンデミックではない。

地球温暖化は新しい病気をもたらす。

それに備えなければならない。



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