年金保険料の「機械的」納付率
「機械的」納付率という新しい言葉ができた。そのうちに辞書にも載るかもしれない。
要するに、国民年金の年金保険料を支払わねばならない人すべてを分母にして、年金保険料を支払った人を分子にして、納付率を「機械的」に計算したものだ。
(正確には納付対象月数が分母で、納付月数が分子になる)
厚労省がこの「機械的」納付率を出した紙にはこう書いてある。
「わが国においては、すべての国民を公的年金制度に加入させる制度となっており、所得が低くて保険料の負担能力のない方には、制度上、保険料負担の免除等を行う仕組を設けている。この表は、そうした免除等の月数も分母に加えて機械的に算出したものである。」
だから「機械的」納付率。
今回、厚労省に提出してもらったのは、3年間の年齢階層ごとの「機械的」納付率。
年齢 H23 H24 H25
20-24 22.0 21.0 21.4%
25-29 32.1 31.2 31.7
30-34 38.6 37.7 38.2
35-39 42.2 41.7 42.1
40-44 42.4 42.3 43.0
45-49 43.9 42.9 42.9
50-54 48.5 47.6 47.5
55-59 54.2 53.6 53.7
合計 40.8 39.9 40.2
これを見ると、二十代前半は二割しか、年金保険料を支払っていないことがわかる。もちろん学生納付特例制度をはじめ、さまざまな保険料を支払わなくてもよい制度があるからだ。
そして強制徴収など、保険料を支払ってもらう活動を強化した成果が出たといいながら、ほとんどの年齢階層で、平成23年度より納付率が下がっている。
今日の自民党の無駄遣い撲滅PTのヒアリングでは、現在、厚労省が目標としている「納付率」だけでは不十分で、「機械的」納付率についてもきちんと目標を設定することを求めた。
さらに、全国に312ある年金機構の事務所ごとの「機械的」納付率を求めたが、驚いたことに納付率も「機械的」納付率もどちらも事務所ごとの数字がなかった。
納付率を上げるというものの、具体的な策はないし、これまでの活動を事務所ごとに評価もしてこなかったということがよく分かった。
まず、事務所ごとの「機械的」納付率を提出してもらうことになった。