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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第8号 『予算委員会のかげで…〜1999.10〜』

国会用語の基礎知識

 呼び出し=衆議院の本会議の舞台回し。衆議院の本会議は、議長と呼び出しの二人が芝居をしながら進む。
呼び出しは、あらかじめ決まったタイミングで、あらかじめ決まった動議を出す。議長は、それに対し、「ご異議ありませんか」と聞くが、あらかじめ議院運営委員会で、シナリオができているので、異議は出ない。仮に、異議を唱えるものがいても議長はこれを完全に黙殺する。

 呼び出しの席にはあらかじめマイクが設置されていて、動議を出す段になると大声で、「ぎっちょうぉーーーーー」と叫ぶ。この時、声が大きく、息が長く続き、こぶしがきいているものが良いとされる(なんのこっちゃ)。呼び出し以外の議員が「ぎちょー」と叫んで動議を出そうとしても、議長はこれを無視する。

 呼び出しも人の子だから、ごくまれに、動議を出すタイミングを間違えて、「ぎっちょぅぉーーーー」と大声でやってしまうときがある。この場合、議長はこれを完全に黙殺する(あれだけの大声をききながら、顔の筋一つ動かさない)。これは大変に恥ずかしく、たいてい呼び出しは顔を真っ赤にしてふるえている。

 そうそう、呼び出しも派閥の持ち回りで、それぞれの派閥の二回生がやる。三塚派、渡辺派ときて、今は宮沢派の岸田文雄。一応、呼び出しをやると出世するといわれているが、じゃ、誰がといわれると知らない。
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