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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

号外 『敗軍の兵、将を語る〜1998.8〜』

総裁選日記7月12日〜7月18日


7月12日
 午後五時半、マスコミの出口調査の結果が入る。自民党惨敗。外はどしゃ降り。
7月13日
 おふくろの命日。
 小渕派が小渕擁立で本格的に始動。
7月14日
 旧執行部は小渕支持へ。
 六十一歳の総理が辞めるのだから、四十歳代後半から五十歳代前半の人間が手をあげなければおかしい。しかし、この世代はみんな、小渕さん、加藤さん、山崎さん等などに遠慮して手を挙げない。これが派閥の弊害だ。       
7月15日
 対抗馬はまだ誰も出ない。このままでは総裁選挙にもならない。
 こうなったら仕方がない。他人を当てにせず、自力で道を拓くのみ。夜、「小渕さん以外に立候補者がいなければ私が出馬します」と宣言し、一回生を中心に推薦人(二十人必要)集めを始める。一回生が二十人集めて立候補すれば、先輩達にもショックだろう。
7月16日
 朝、八人の推薦人の署名と五人の約束を取り付けたところへ、梶山さん出馬の連絡。ピエロにならずにすんだ。
 僕の顔を見るたびに先輩が笑いながら、「河野太郎に投票できなくて残念だよ」なーに、もう何年かの辛抱ですよ。
 両院議員総会で、若手が総務会の決めた総裁選の日程を覆す。総務会の権威失墜。
 流れは一気に変わる。小渕派常任幹事会も高鳥代議士が梶山支持を表明してまとまらず。ポスト欲しさに、前日の小渕支持が一変して梶山陣営に来るお方もいらっしゃる。こんな人が 政治家なんだから、あきれる。
 夕方、麻生太郎代議士、報道陣に囲まれる。「おい、今朝の朝刊の記事(「小渕で一本化へ」)書いたやついるか。えっ、恥ずかしいだろう」みんな下向くが、毎日新聞だけ「大丈夫です。明日になったらみんな忘れます」。爆笑。
7月17日
 菅(すが)、小此木、松本、栗原の各代議士と林参議院議員、それに河野太郎の若手六人で梶山支持の若手選対を立ち上げる。しかし、梶山氏支持の長老グループとは一線を画し、別行動をとることにする。
 三塚派が迷走。小泉さんを派閥の候補者として擁立するらしい。それじゃ、小渕派の小渕擁立と変わらないではないか。この人たちも懲りない。
 梶山さんの政策を経済再建の一点だけに絞る。この一年間、総理はそれだけやればいい。
 我々は、梶山さんをなるべく多くのテレビに出演させ、「金融の梶山」をアピールし、世論の後押しを受けて小渕さんを追撃する戦略でいくことに。ところが梶山さんは、「私はテレビに出るときは前の晩から寝られません」えーい、今回は文句言わずに寝て下さい。
7月18日
 生まれて初めて生放送のテレビ番組に出た。
 テレビ出演に慣れている渡辺喜美さんと日本テレビ出身の石原伸晃さんの間に座って、借りてきた猫状態。何がなんだか分からないで一時間が終わってしまった。ただ、猪瀬直樹、テリー伊藤など最初から小渕叩きが目的のようだった。評論家を入れず、候補者間のディベートをそのまま放送するような公正中立な報道が必要だ。
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