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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第29号 黙るマスコミ

問題は、こうしたプルトニウムの問題や六ヶ所村の再処理工場の問題がほとんど報道されてこなかったことにあります。たしかに六ヶ所村の再処理工場の建設やプルトニウムを取り出すための試験の開始などの事実は淡々と報道されてきました。しかし、こんな問題を解説なしで事実だけ報道されても、国民の圧倒的大多数はそれにどういう意味があるのかわかりません。数十兆円も国民負担がかかる問題なのに、マスコミのこれまでの態度はあきらかにおかしいのです。

 これまで私は、テレビ朝日の報道ステーション、読売新聞、週刊ポストからこの問題を取り上げたいとアプローチされ、資料の提供やインタビューなどをやってきました。しかし、どのメディアも結局はこの問題を取り上げることを断念しました。

 ニュース番組を注意深く見ていると、電力会社がスポンサーになっている番組が多いのに気がつきます。新聞や週刊誌、月刊誌にはしょっちゅう電力会社や電気事業連合会の広告が出ています。つまりそういうことなんです。(ぶっちゃけて言えばスポンサーの圧力です。)

 マスメディアが取り上げなければ、それに代わって誰かがこの問題を伝えなければなりません。そこでミュージシャンの坂本龍一さんや元 LUNA SEA の Sugizo さんなどが立ち上がって情報発信を始めています。

 実はミュージシャンにとってもこの問題で発言することは大変勇気が要ることなのです。ニュース番組でもこの問題を取り上げないテレビ局ですから、この問題で積極的に発言する歌手は音楽番組に...。

 私も青森市で必要のないプルトニウムを取り出すことはおかしいという講演をしたところ、自由民主党青森県連から党本部宛に河野太郎を除名せよという申請が出されました(自由民主党宮城県連が河野太郎は正しいと表明して、私の首もつながりました。自民党は電力会社とのつながりで、民主党は電力会社の労組とのつながりで、両党ともこの問題にはおかしな立場をとり続けています。)。

  今、勇気ある人間が立ち上がって、必要のないプルトニウムを取り出すなということをはっきりと言わなければなりません。

 

 

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