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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第23号 『陰謀とあなたの財布』

アラブ国会議員会議 中東出張報告


 2月29日から3月1日まで、シリアのダマスカスで開かれた「アラブ国会議員会議」に、日本の国会議員として初めて招待を受け出席してきました。アラブ各国の議会には、選挙で議員が選ばれる議会から議員が任命されるものまで様々な議会がありますが、アラブ各国議会の議長と議員が参加する会議です。

 日本から初めての参加ということで、非常に暖かいおもてなしでした。

 全体会議では、アラブ各国の議長の演説の後、EU代表の次に日本の一国会議員として参加した河野太郎が演壇によばれ、演説をすることになりました。これも日本に対する期待の大きさが現れているのではないかと思います。

 日本と中東の関係は石油だけではなく、文化、投資、教育、そして政治の各方面で一層の関係強化が必要であり、大学レベルでの交換留学と各国から日本への直行便の乗り入れとともに、日本とアラブの若手の政治家の交流を目的として僕が一昨年から提唱しているJALN(Japan-Arab Leadership Network) に対するアラブ国会議員会議及び各国議会からの支持を訴えました。

 全体会議の合間には、シリアの情報大臣、アラブ国会議員会議の事務総長、シリア、レバノン、サウジアラビア、エジプト、UAE、クウェート、バーレーン、オマーン、カタールの国会議長と個別に会談し、中東情勢に関する意見交換と議員交流への協力の依頼をしてきました。また、中東全域を衛星でカバーしているシリアのテレビ局からのインタビューを受けました。

 二日間でしたが、当初の目的はきっちり果たし、実りの多い出張でした。

 会議そのものは極めてアラブ的で、「では十五分のコーヒーブレーク」と議長が宣言すると、一時間半のコーヒーブレークになり(その間に各国の代表団に話をつけて議長との会談に持ち込むことができたので、ありがたい時間ではありました)、「では昼食の後は四時から会議を再開する」と議長が宣言しているのに、四時にはまだ宿泊先のホテルにはたくさんの代表団がいたり(こっちもそれを見越して遅れていきました)、各国代表の演説は十分程度のはずがみんな時間を気にせずに好きなだけ話し、もちろんオブザーバーの演説の日程などは事前には決まっているはずもなく…。

  でも、各国の議長は、それぞれ会議を抜けてきたり、コーヒーブレークの時間を割いてくれたり、サウジアラビアのように代表団の泊まっているウイングに呼んでくれたり、全員が快く会って下さいました。

 日本の国会議員は、やる気さえあれば、本当に充実した議員外交ができるという確信を持って帰ってきました。


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