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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第22号 『腹を切ればよいのか』

心臓移植

 臓器移植の問題は生体肝移植だけではありません。例えば心臓は生体移植ができません。心臓移植は、脳死になった方からの心臓の提供を受けてしか行うことができないのです。

 拡張型心筋症などの病気で心臓移植を待っている患者は2003年10月末で国内に75名いらっしゃいます。この他に心臓と肺の同時移植が必要な患者が3名、あわせて78名が心臓移植を必要としています。しかし、臓器移植法が施行されてからの六年間に心臓移植は17件、つまりこれだけ移植を待っている人がいるにもかかわらず、日本国内では脳死からの心臓の提供を受けた移植は平均して年間3件もないのです。2003年に限ればまだ1件もありません。78名が移植を受けるためには少なくともあと二十六年かかる計算になります(その間に新たに移植が必要となる患者が出ないという非現実的な計算ですが)。

 こうした国内事情をうけて1984年から2002年までの間に65名が海外に渡航して、心臓移植を受けています。

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