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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版 |
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第19号 『再び不良債権入門』資産査定 貸倒引当金を積むということは、利益を削るということです。単純銀行の経営者にとっては、大きなミスです。 もし単純銀行の経営者が、この自分のミスを隠そうとしたらどうするでしょうか。一番簡単なのは、貸し先のこの企業が経営不振であるということを認めないことです。これならば貸倒引当金を積む必要がありません。あるいは経営の不振は認めても、この企業の担保の土地価格を実際よりも高く評価しておくといった方法もあります。こうすれば、貸倒引当金の額を減らすことができます。 これまでに大きな負債を抱えた企業が倒産したときに、貸し手の銀行が、ほとんど貸倒引当金を積んでいなかったということがありました。この場合は、いきなり右の箱の自己資本が削られることになります。もし、不良債権の金額が自己資本の額を超えてしまったら、預金者から預かった預金が払い戻せなくなってしまいます。最近、「資産査定の厳格化」「引当の強化」ということが言われていますが、これは銀行がきちんと貸倒引当金を積んでいるかどうかを、金融庁が厳しくチェックしようということです。 |
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