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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第17号 『構造改革はできるか』

構造改革はできるか

 今、朝七時。テレビのニュースでは、石油公団の問題で、政府と与党が合意したと報道しています。自民党の執行部と小泉総理の妥協が成立したそうです。

 自由民主党は、2001年の総裁選挙で、圧倒的な多数で小泉純一郎総裁を選びました。そして、夏の参議院選挙では、まさに、小泉純一郎総理への期待から自民党が圧勝しました。そして、2001年冬、自民党が小泉内閣のやろうとしている改革を止めています。

 国民の圧倒的支持を得ている総理大臣が、自分の提案を国会に出すことができないというのは、間違っています。

 なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。それは、政府が提案する法案や予算は、自民党の事前承認がないと国会に出せないという慣例があるからです。どうしてそういう慣例があるのか、といえば、大臣より力のある政治家が自民党のなかにいるからです。どうしてそうなるかといえば、大臣をみんなにやらせてあげようと一年ごとにたらい回しにしてきた結果、何にもわからない議員が大臣をやってたりするからです。

 自民党の事前承認には大きな問題があります。なぜかと言えば、密室協議だからです。国民には最後の結果だけしか知らされず、密室の中で、誰が何を主張したかはわからないようになっています。つまり、ある特定の利益を代弁するのに非常に都合が良いのです。ガラス張りの国会審議の中で、国民がみんな見ている前で、特定の利益団体の意見を代弁することは、大変です。なんだ、あいつは、と言われかねません。しかし、自民党の密室協議で、特定団体のために一生懸命に汗を流せば、その団体からはありがたがられ、しかも、国民には、その姿をさらさないですむのです。

 特殊法人改革や財政構造改革等の構造改革プランを、自民党の事前協議を飛ばして国会に直接提案するべきだと私は総理に訴えています。もし、自民党の抵抗勢力が反対し、国会で構造改革が否決されたなら、誰が小泉改革に賛成し、誰が反対したか、国民にはっきりと伝わります。そのときは、経済状況が悪い中で、大変申し訳ありませんが、解散、総選挙をやらせていただきたい。そして構造改革を支持する議員で、政界再編をやりたいと思います。

 構造改革はできるか、ではなく、構造改革をやるために、なにをするか、です。

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