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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第14号 『今だから話せる』

これからどうするか

 はっきり言って、今の政党の枠組みには無理があります。

 それぞれの政党が、何を理念とし、何を目指していくのか、非常にあいまいですし、政策も重なり合っています。

 私は、近い将来、今の政党の枠組みを超えた政界再編が必要だと思います。

 まず、第一段階で、自民党、民主党、そしてその他の自由主義、民主主義、資本主義を標榜する政党が集まって大連立政権を創るべきだと思います。この大連立政権がやるべきは、憲法改正です。

 今の憲法は押しつけられたものだから、といった後ろ向きな理由ではなく、二十一世紀に日本が必要とする憲法をここで創り上げる、前向きな憲法改正が必要です。特に、憲法九条を改正し、集団的自衛権を含めた自衛権と自衛力を保持すること、世界の平和と安定を守るために必要な国際的な協調行動を取ることができることを明記すべきです。

 憲法九条に関しては、憲法改正が行われないのに、内閣法制局などという政府の一機関が、その解釈の変更で、憲法を事実上改正してきました。そのため、安全保障に関する国会の議論は、過去の答弁をガラス細工のように積み上げる、極めて不自然なものになっています。二十一世紀の安全保障を考えると、九条を明確なものにする必要があります。

 さらにもう一点、議院内閣制を改め、国民が国のリーダーを直接選ぶ、大統領制を導入する憲法改正を行うべきだと思います。

 一部の長老ではなく、国民全体でリーダーを選ぶことによって、リーダーの政治基盤も安定しますし、選んだ国民の側にも責任が生じます。また、任期が明確な大統領制を取ることによって、平成になって、総理大臣が十人という短命内閣ではなく、安定した政権が誕生します。さらに、現状では、霞ヶ関の官僚機構が、情報を操作し隠すことによって、行政だけでなく、立法にも大きな影響を持っていますが、大統領制になれば、行政と立法は明確に分離されます。

 この二点を柱とする憲法改正を大連立で成し遂げると同時に、大連立に参加した政治家を、経済政策を軸として、二つのグループに分け、二大政党を創っていく作業が必要です。

 一つのグループは、グローバルスタンダードで戦っていこう、小さな政府を創ろうという政策を推し進める政治家の集まり、もう一つは日本には、島国ルールがあってもいいではないか、大きな政府でもいいではないか、という議員の集まりになるべきでしょう。この二つの考えをベースに二大政党をつくり、切磋琢磨して政策を磨き、大統領候補たらんとするリーダーを創りだしていくことになるでしょう。

 政界再編の第一歩となる大連立をつくるのは、与野党の枠を超えた若手議員の今の政治に対する危機感であり、改革と理想に向けた連帯感だと思います。

 今の政治は変わらなければなりません!

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