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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第13号 『年金に関する誤解について〜2000〜』

少子化の理由

 少子化の原因は、一人っ子や子どものいない夫婦が増えたからではありません。結婚した日本人女性が生む子どもの数は、この二十年間ずっと二・二人で変わりません。
 最近の少子化の原因は、女性がなかなか結婚しなくなった(ということは男性も)、つまり、結婚する年齢が遅くなっていることによる未婚率の上昇です。例えば、二十五歳から二十九歳の女性の未婚率は、一九六五年には一八・九%だったのが、一九九五年には四八・〇%になっています。日本では、欧米と比べ、結婚していないカップルの子どもの出生数が「相当低い」(厚生省)ため、未婚率の上昇は、出生率の低下にすぐにつながります(日本で、結婚していないカップルから生まれる子どもの割合は一%以下ですが、北欧では五〇%近いといわれています。一度、自民党内の少子化対策の検討で、結婚していないカップルの出生率を欧米なみに上げることも考えてはという意見が出されたこともありました。思い切った提案ではありましたが、ふーん、とか、はーん、という反応だけで終わりました)。それに加えて、結婚した夫婦が実際に持つ子どもの数も、欲しいと思っている子どもの数を下回っています。
 そして、長期的には、一生結婚しない日本人が増え続けると予測されています。今後、二一〇〇年までの人口の減少の大きな理由は、この生涯未婚率が上昇し、子どもを産まない女性の数が増えていくことと、結婚したカップルの子どもの数も少しづつ減っていくことが予想されているからです。

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