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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第12号 『神奈川独立!〜2000〜』

搾取される神奈川

小 「でもよ、だからって、何で神奈川が独立しなきゃいけねえのよ」
宮 「よくぞ、それを聞いてくれました。そりゃあもう、聞くも涙、語るも涙の悲しいお話なんで」
小 「おいおい、めそめそ泣いてもわかんないよ。ちゃんと説明してみなよ」
宮 「旦那、神奈川県民が、一人あたりいくらの税金を払っているか、ご存じですか」
小 「いや知らねえ。いくらなんだ」
宮 「だいたい一人あたり六十八万五千円なんです」
小 「で、おめえさん、それが気にくわねえってのか」
宮 「いや、そうじゃねえんです。それが役に立っているんなら、文句は言いません。でもね、一人あたり六十八万円の税金を神奈川の人間から持っていくのに、行政が神奈川に投資している額を調べたら、一人あたりたったの二十九万円なんです」
小「じゃあ、なにかい。神奈川の人間が払っている税金の四割しか、神奈川には戻ってこねえってことかい」
宮 「そーなんです。まあ東京都民は、もっとどじだから、払った税金の二割しか、東京には戻ってねえんです。そんつぎにどじなのが、大阪で三分の一しか戻らない。そんでもって愛知県、四番目にどじなのが俺たちで四割」
小 「へーえ、そいつぁ、驚いた。でもよお、そんだけ俺たちがどじだってことは、なかには反対にうまくやってる人間もいるってことだな」
宮 「そーなんです」
小 「で、そのうまくやってんのは、どこのどいつだ」
宮 「へえ、高知県で。一人三十六万円の税金を払って、行政投資は一人あたり、六十一万円。つまり、百円払うと百七十円戻ってくるってことです」
小 「他にはどうだい」
宮 「島根県、鳥取県、岩手県ってとこが、どれも百円払って百五十円の戻りがあるようで」
小 「なるほど、つまり、神奈川から搾取して、そういうところへばらまいているんだな。けしからん。こうなったら、神奈川独立だぁ」
宮 「ほらね、だから言ったでしょ」
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