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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

号外 『敗軍の兵、将を語る〜1998.8〜』

拝啓 小渕総裁殿

自民党の体質改善を実現するための処方箋
 小渕丸が船出しました。小渕総理の任務は、経済再建に尽きると思いますが自民党の小渕総裁としての任務は、自民党の根本的な体質改善です。
 今回の総裁選挙で分かったように、自民党の体質改善は一筋縄ではいきませんこれを実現するために何をすべきか、若手からの提案です。          
一 ・ 衆議院議員に任期制を設け、当選十回以上の代議士は、次回公認しない  
二 ・ 行政府を改組し、閣僚の下に、閣議に入らない複数の担当大臣、政務次官を新設し、与党の代議士の
   半数以上を行政府の役職に就ける     
三 ・ 参議院議員から大臣、政務次官を出さない              
四 ・ 参議院の比例代表には官僚出身者を登用せず、NPO出身者を積極的に 登用する
五 ・ 総裁選挙の立候補に必要な推薦人を一名とする            
六 ・ 総裁は何回でも再選できることとする                
 今回の総裁選挙ではっきりとわかったことは、これまでのような年功序列ではこの党は再生できないということです。
 「一」はやや乱暴かもしれませんが、これぐらいの改革をやらなければ、自民党は生き残れません。特に今、この党を牛耳っている長老を取り除かなければ<何も変わりません。
 現在のしくみでは、与党から政府に入るのは、わずか四十人あまり(大臣二十人と政務次官)です。実力者が政府に入らず、与党の中で政策を決めていくこともしばしばあります。つまり、今のしくみでは、政策の決定が政府と与党の二頭立てになっているのです。「二」によって、与党と政府はより一体化し実力者はすべて政府に入り、責任を持った政策立案に携わることになります。政府の役に就いていない議員が、政府の負う責任もなく、官僚や圧力団体の意見を強く反映した政策を打ち出したりすることもなくなります。大臣の椅子を一年ごとにたらい回しにすることもなくなり、政治家主導の政策決定が実現します。
 「良識の府」としての参議院の独自性を確立するために、参議院からは大臣、政務次官を出すべきではありません。「三」                 
 また、今の自民党参議院の比例代表は、官僚出身が大半を占め、まさに族議員の温床となっています。こんな魅力の無いリストをやめ、比例代表に目的意識のはっきりしたNPOの代表(例えば気候フォーラムの浅岡さん)を選び、六年の任期を利用した活動をして貰いましょう。「四」                
 派閥と関係なく総裁選挙に立候補できるようにするために、推薦人は一名にすべきです。「五」
 総裁は任期二年、三選は禁止という今の規定は、順番を早く俺に回せという派閥のボスのエゴ以外の何物でもありません。任期二年は結構ですが、国のリーダーがころころ変わらないようにするためにも再選は支持されている限り認められるべきです。「六」                              
 まだまだ、改革の必要なところはいろいろあります。しかし、これぐらいの思い切った体質改善をしなければ、たとえ景気が回復したとしても自民党に未来はありません。                               
 小渕総裁、あなたに与えられた時間は来年の九月までです。それまでに党の体質改善ができなければ、我々若手との世代間戦争を覚悟してください。
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