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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第3号 『誰が法律を作っているか〜1997.4〜』

国会用語の基礎知識

【両院議員総会】
 自民党の衆参すべての議員が集まる総会。
平時では国会の会期の初日だけに開かれ、総裁、幹事長がご挨拶する15分程度のセレモニー。
【代議士会】
 自民党の場合、本会議の5分前に必ず開かれ、議院運営委員会の細田博之理事がその日の本会議の内容と採決について説明し、この法案には起立しろとか、この法案には緑の札を持って投票しろとかご丁寧に教えてくれる。
必ず最後に「今の議運理事からの報告にご異議はありませんか」と言われるが、異議はない。ちなみに代議士とは、衆議院議員のこと。
参議院議員は代議士ではない。貴族院のなごりか。
【議院運営委員会】
 略して議運。衆議院の常任委員会の一つで、その日の本会議の内容を決め、法案ごとに政党別の賛否をここで確かめる。
全政党が賛成と分かった法案は本会議で議長が「ご異議ありませんか」と聞くだけで済む。
一番多いのは共産党だけ反対する法案で起立採決になる。
起立採決の場合、議運で自民党の理事が「わが党は賛成」と発言すると、それが本会議の公式記録になり、一人で意地を通して本会議で反対しても、記録に残らない。
(そうした万一の場合に備え、河野太郎の投票記録を掲載中)。
こうしたこと以外に、国会図書館の運営や院内の女性用トイレの数を増やそうとかもこの委員会の担当。
現実にはこの議院運営委員会は全く建前のシャンシャンで、物事はその前に開かれる議運の理事会で決まる。
さらにその前に非公式の議運の理事懇談会というのがあり、その前に各党の国会対策委員会同士の根回しがあり…。
なお、国会対策委員会(国対)は、政党の私的な機関で法律の規定はない。
 雲の上→議運理事懇→議運理事会→議運→予鈴→代議士会→本鈴→本会議
【予算委員会】
 一口に予算委員会というが、
▽総括審議(全大臣がずらりと並ぶテレビでおなじみのやつ)8日間
▽一般審議(あらかじめ質問者が指名した大臣だけ出席する)6日間
▽公聴会(民間の有権者から意見を伺う)2日間
▽分科会(各省ごとに部屋に分かれて質疑する)2日間
▽集中質疑(特定のテーマを決めてそれに関する質疑を行う)2日間
▽シメソー(締め括り総括の略)1日に分かれている。
シメソーが終わると深夜でも本会議を開いて予算の採決を記名投票で行う。
全くばかばかしいが、政府与党側は、政府原案をビタ一円も変更するつもりはなく、野党側は数が足りないので修正案は通らない。
だから予算が年度内に成立すれば政府与党の勝ち点3、審議が止まれば1日ごとに野党に勝ち点1、みたいな感覚になる。
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