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ごまめの歯ぎしり ハードコピー版

第2号 『国会はなぜ眠っているか』

新米議員の見た予算策定のプロセス (日記より)

12月13日 
 禁足。本会議で新進党提案の財政二法を記名投票で採決。自民、社民、さきがけ、民主、二十一世紀、共産の反対で否決。
本当なら各党が公約した「税制の徹底的な議論」を財政特別委員会でもっとするはずだったのに新進党から羽田氏離党の動きがあり、委員会審議が長引くと党がもたないから委員会審議を一日にし、早く否決してしまってくれとの話があり・・・。
マスコミが報道しない(できない?)部分が多すぎる。
12月17日
 いつも通りの朝のはずだったが・・・。午前8時半に、社会部会へ出席するといきなり厚生省から保険料負担見直
しの説明になる。本人二割、高齢者一割、薬代三割を自己負担としたい、来年度予算に反映
するためには明日与党で合意しなければいけないので、この場で社会部会にはご了承いただきたい・・・。おい、ちょっと待ってくれよ。
そういえば先週、社会部会が召集されて審議会の報告の説明を聞いたが、それ以来、議論も何もないではないか。それがいきなりなんだこれは。
 他の出席者も全員が同じ気持ちだった。
「いきなり議論も無く、この場でこれを了承しろとはどういうことだ。こんな大事なことを拙速に決められないじゃないか」。先輩議員の声も荒
々しい。ところが、「いえ、拙速ではございません。審議会で二年もかけてお決めいただいたことでございます」。
「じゃあ、厚生省はなにか、審議会には二年かけるけれど、自民党は二時
間かければいいというのだな」。みんな、切れてしまった。
怒号の中、提案は撤回され、夜六時に社会部会を再召集することになった。
安倍晋三議員が「みんな6時に来いよ。来ないと強行突破されるぞ」と呼び
かけている。
松本純議員と僕は、同じ時間帯に別な会合があり、そちらも抜けてられないので、厚生委員会に所属している松本さんが社会部会に行き、僕が別件に行く。
結局、この夜、高齢者の自己負担が暫定的に決まり、一年かけて根本的な改革をすることになった。
12月18日 
 会期終了。自民党文教部会が文部省の予算の件で大蔵省に陳情に行くから、部会メンバーは大蔵省に集合せよとの連絡が入る。
しかし、どう考えてもこりゃ変だ。
なんで立法府が大蔵省に「陳情」するんだ?本当に必要な予算なら、国会で議決すればいいではないか。
さっそく栗原副部会長(当選二回)に、「冗談じゃないですよ」と抗議すると、「まあ、いいからついてこい」とそのまま大蔵省に連行される。

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