おすすめの一冊 歴史と名将

2025.03.28

歴史と名将 山梨勝之進著 角川新書

山梨勝之進は、従二位、海軍大将、海軍次官、学習院長。

旧帝国海軍では、山本五十六、堀悌吉などとともにワシントン、ロンドン両軍縮条約の批准を進めた条約派として知られていますが、旧帝国海軍の人事を握った艦隊派によって、海軍大将に昇進した翌年に予備役に編入されてしまいます。

山梨は、日清戦争のさなかに海軍兵学校に学び、日露戦争には分隊長として参戦、その後、海軍大学校で秋山真之の薫陶を受け、第一次成果大戦では海軍軍令部参謀、ワシントンの軍縮会議には専門委員として参加し、昭和3年、海軍次官に就任してロンドン条約を日本から補佐しています。

昭和7年に海軍大将に昇進するも翌年に予備役に編入、昭和14年、皇太子の入学準備が進む学習院の院長に任ぜられます。

この本は、その山梨勝之進が昭和34年から41年まで、8年間で12回、海上自衛隊幹部学校で行ったものをまとめたもので、600ページを超える大部なものです。

本書の内容は、アメリカの南北戦争時代の北軍の海軍を率いて米国海軍初の大将に昇進したファラガット提督の活躍を解説しながら、南北戦争全体についても触れ、さらにヨーロッパにおける一連のナポレオン戦争とウェリントンの半島戦争、上杉謙信と武田信玄の川中島の合戦などを解説しています。

ジョージタウン大学在学中には、私はファラガットがどういう人かもよく知りませんでしたが、ワシントンDCに、ファラガットストリート、ファラガットスクェア、地下鉄のファラガットノース駅、ファラガットウェスト駅など、やたらとファラガットの名前の付いた地名があるなと思っておりました。

さらに本書は日清、日露戦争から第二次大戦までの日本のあゆみやロンドン、ワシントン条約について触れていて、ここは非常に読みごたえがあります。

歴史の教科書を読んでいたのではわからない歴史、とくに戦史の解説としておすすめです。



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