社会保障改革2025-3 医療保険料改革の必要性

2025.01.19

現役世代の保険料の負担を軽減したいと考えています。

2021年度の医療保険ごとの保険料の流れをまとめたものです。(日本総合研究所作成)

2021年度に、協会けんぽの保険料収入は9兆9千億円ありましたが、この年度の医療保険の給付額は6兆7千億円でした。

ところがこの年度に、協会けんぽから後期高齢者支援金として2兆2千億円、前期高齢者納付金として1兆6千億円が支出されています。

大企業の健保組合の場合、2021年度の保険料収入は合計して8兆3千億円、医療保険の給付は4兆2千億円でした。

そしてやはり後期高齢者支援金として2兆円、前期高齢者納付金として1兆6千億円が支出されています。

協会けんぽの場合、働く人が納めた健康保険の保険料の約38%が「支援金」として、協会けんぽの外に支出され、健保組合の場合、約43%が「支援金」としてやはり健保組合の外に支出されています。

「保険」というものは、本来、所属するグループの中でリスクを分け合うもののはずですが、集められた資金の4割がグループの外に支出されているのは、もはや「保険」ではなく「課税」なのではないでしょうか。

つまり現行制度では、高齢者の医療費の多くを、現役世代が賃金への「課税」で負担していることになっています。

税と違って保険料は引き上げやすいことから、現役世代の給与をベースにする保険料負担が大きくなっています。

この改革のためにはいくつかの選択肢があります。

いずれの選択をするにしても問題の解決のためには0か100かの選択ではなく、制度を変更するためには変更の影響を抑えるために、ある程度の時間をかけて行なう必要があります。

「現役世代の給与」をベースにする保険料から高齢者の医療保険への負担金を拠出させるのではなく、「全世代」が負担する消費税で高齢者の医療保険をまかなうようにすれば、現役世代の保険料は4割程度削減され、その分、全世代が負担する消費税が増えるようになりますが、年金のみで暮らしている方には負担がきつくなります。

保険料が賃金に対してかかるため、賃金以外の所得への課税を強化することで保険料を軽減することができます。

いろいろと反対の声がありますが、金融所得の課税を強化し、保険料に充てることも一つの手段です。

あるいは高齢者の負担する保険料の計算の資産割で資産のある高齢者の応能負担を増やすことも選択肢です。

いかに現役世代の負担を軽減し、負担の公平化を図ることができるか、しっかり議論していきましょう。



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