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マイナンバーカードと暗号
2025.01.13
マイナンバーカードを取得して5年経ったので、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れて更新しなければならないのが面倒だ、オンラインでできないのかといったご意見が寄せられています。
マイナンバーカードの有効期限が10年なのにマイナンバーカードの電子証明書の有効期限を5年としているのには理由があります。
あなたが持っているマイナンバーカードの電子証明書には、オンラインで通信している時に第三者になりすまされないようにするために暗号が使われています。
マイナンバーカードに使われている暗号は、2048ビットのRSA暗号という、現在世界で最も使われている種類の暗号です。
しかし、どんな暗号も未来永劫に安全ではありません。
スーパーコンピュータの進化や量子コンピュータの導入などで、処理能力が向上すると、現在は安全な暗号もやがては比較的簡単に解読されてしまうようになります。
現在使われている2048ビットのRSA暗号は、2010年代から使われています。
2048ビットのRSA暗号は、0と1で表すと2048ビットとなる617桁の整数を使っています。
こうした大きな整数は素因数分解することが難しく、スーパーコンピュータを利用しても素因数分解するのに30年以上かかることから、解読されにくい安全な暗号として使われてきました。
しかし、量子コンピュータを使うとこうした大きな整数の素因数分解も短時間でできてしまいます。
このため、マイナンバーカードの導入から10年を迎える2026年を視野に入れ、導入を目指している次期マイナンバーカードでは、より強固な暗号方式に移行することとしています。
これにより、現在のカードの電子証明書は有効期限が5年ですが、次期カードでは、カード本体と同じ10年に延長することが可能です。
次期カードでは、5年目の電子証明書だけの更新を不要とし、10年に1回だけ、カード本体と電子証明書の更新をあわせて行えるようにしたいと思っています。
また、現在のマイナンバーカードの電子証明書の更新に、いちいち市役所まで行かなければならないのをなんとかしてほしいという声が多く寄せられています。
対応策として、市役所や役場の開庁時間を延ばしたり、土、日も開庁することを自治体にはお願いしています。
また、全国の郵便局で電子証明書の更新をできるようにする取り組みを進めています。
医療機関でマイナ保険証を利用する時に、電子証明書の有効期間が3ヶ月を切っていると、お知らせが出るようになっています。
また、マイナ保険証の電子証明書の有効期限が切れてしまっても、その後、3ヶ月はそのまま使えます。
その間に更新をお願いします。
マイナンバーカードの利便性の向上と本人確認の道具としての確実性の両方をしっかり担保できるように、政府一丸となって努めてまいります。