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大臣折衝
2024.12.30
来年度予算の政府原案が、今年は例年よりも遅れて、12月27日に閣議決定されました。
しかし本当ならば、2日程度早く、予算プロセスを終わらすことができたはずです。
現在の予算策定プロセスの大詰めに「大臣折衝」と呼ばれるものがあります。
概算要求に始まって、財務省と各省庁の事務方が、来年度予算をめぐってずっと交渉をしてきますが、事務方同士で決められなかった予算に関して、各省の大臣と財務大臣が、大臣同士で「折衝」をして、最後決めるのがこの「大臣折衝」です、いや、そのはずです。
昔は、本当にそうだったのかもしれません。
しかし、現在は違います。
各省の予算は実際のところ、すでに決まっています。
その中で、もっともらしい予算を選んで、大臣折衝のために取っておいて、最後、大臣が財務省と折衝して「勝ち取った」ことにする、そのためのセレモニーが大臣折衝です。
各省の大臣と財務大臣の大臣折衝に丸々2日かかります。
私も最初の頃は、この「大臣折衝」に出かけていきました。
しかし、あらかじめ決まったことをお互い読み上げるだけの「大臣折衝」でした。
次から馬鹿馬鹿しいので、俺はこんなことやらないよ、とお断りしました。
それでも各大臣やるのでどうしてもという話もあったので、予定にない予算を下さいと折衝に持ち込んだこともありました。
やってる方もやってる方ですが、それを真面目に大臣折衝でなんとかの予算が決まりましたと報道しているメディアもどうかと思います(たぶん、現場の記者は気がついていると思いますが)。
この大臣折衝をやめれば、予算プロセスはもう少し早く終わります。
一度、本当にガチで大臣折衝が必要になりそうなときがありました。
予算ではなく、機構定員をめぐって事務方でまったく折り合いがつかず、国家公安委員長と公務員制度担当大臣にそれぞれ下から上がってきました。
このときのオチは、国家公安委員長も公務員制度担当大臣も、両方、河野太郎でした。
深夜の閣僚就任会見と同様に、やめたらいいのにとみんな思っているけれどやめないものの一つです。
やめましょう。